【総務省】SNS上の偽情報・誤情報 削除基準の義務化目指す

総務省の有識者検討会は、SNS(交流サイト)上の偽情報・誤情報や、著名人の名前や画像を使って本人になりすました偽広告への対応策をまとめた。偽情報の削除や偽広告の掲載停止に関する基準を、SNS事業者に策定させるための制度整備などを求めている。

 松本剛明総務相は今回の提言について「偽・誤情報に対する削除や、違法・不当な広告の掲載停止措置に関する基準について、さらなる制度整備も必要ではないかという提言だと受け止めている」と説明。法整備や制度整備を含めた総合的な対策に乗り出す考えを示した。

 通常国会では、SNS事業者に誹謗(ひぼう)中傷投稿への対策強化を義務付ける改正プロバイダー責任制限法が既に成立している。松本氏は「健全性では一定の貢献が期待される」としながらも、さらなる対策の必要性に言及した。

 報告書は、偽情報・偽広告対策について「SNS事業者による自主的な取り組みのみには期待できない」と指摘した。

 削除申請に応じるかどうか、事業者に一定期間内で判断させたり、その結果を通知させたりすることも求めた。他に、広告の事前審査基準の策定や、関係団体による協議会の設置を提言した。

 今年1月の能登半島地震では、SNSで架空住所への救助要請や人工地震説などの偽情報・誤情報が拡散。実業家の前沢友作氏らに成り済ました偽広告による投資詐欺被害も発生した。有識者会議は米IT大手メタ(旧フェイスブック)などから聞き取りを行い、対応策を検討してきた。

 この他、総務省は、インターネット上の偽情報・誤情報対策技術の開発・実証事業の公募で、発信元の信頼性を識別できる「オリジネーター・プロファイル(OP)」など6事業を採択しており、こうした対策も組み合わせて対応する方針だ。

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