GMOペイメントゲートウェイ(GMO‐PG)の連結企業、GMOペイメントサービス(GMO‐PS)は、BtoC向け後払い決済「GMO後払い」、BtoB向け決済「GMO掛け払い」に加え、今年2月からは三井住友カードと共同で新たな後払い決済サービス「アトカラ」の提供も始めた。エグゼクティブリーダー BNPL担当 堀江和之氏と営業部長 香月近義氏に、GMO‐PGがグループで持つ総合決済サービスの強みについて聞いた。
<サービスの現状>
――GMOペイメントサービスが展開するそれぞれのサービスの現状について聞きたい。
香月:BtoC向けでは「GMO後払いに加え」、三井住友カードと共同展開する後払い決済サービス(BNPL)「アトカラ」で新たな市場の開拓を進めている。後払い決済市場については一定のニーズとボリュームはあるものの、安定期に入っている印象だ。
BtoB向けの「GMO掛け払い」については、大手から中小まで幅広くニーズを拾うことができ、攻めの営業を行っている。特にGMO‐PGと連携することで、請求書のカード払いにも対応する予定であり、総合的な決済支援を行うことができている。
アライアンスによるものと直接引き合いがあるケースとアプローチには違いがある。BtoB市場では後発であるものの機能性に加えて、当社グループの柔軟なカスタマイズ対応などが受け入れられている。
▲営業部長 香月近義氏
<実店舗でも利用可能>
――「アトカラ」については?
堀江:「アトカラ」は、専用アプリに表示されたQRコードを用いて実店舗でも利用できる決済サービスだ。ECにおいては購入する商品と同梱される紙の請求書を管理しなくても、アプリや専用のウェブサイトで月々の利用状況の管理が可能となる。また、締め払いにより、まとめて支払うことも、「すぐ払い」機能を利用して請求書一件ずつ支払うことも可能だ。
支払い方法は2種類用意した。「都度与信型」は、事前の会員登録の必要がなく、購入のたびに購入商品の内容をもとに審査を行う。上限は税込5万5000円で、1回払いで支払う決済方法でECのみ利用できる。
「会員登録型」はユーザーが事前に会員登録すれば、その内容をもとに利用枠を設定する。36回までの分割払いに対応し、6回払いまでの分割払い手数料が無料で利用できる。
ともに今年2月にサービス提供を開始し、対面でも非対面でもそれぞれ順調に加盟店が増えている。非対面加盟店では、他の決済手段と競合することなく、客単価が上昇したという声もいただいている。
「後払い決済」について国内では割賦販売法の規制を受けているが、海外では法規制がないなど大きな違いがある。「GMO後払い」で提供するサービスをアプリとウェブに置き換え、まとめて精算ができるもので、「都度与信型」と「会員登録型」で提供する
――どのような企業が加盟店になっているのか?
堀江:ファッションECのほか、アイリスプラザ、エクスプライス、コーナン商事、赤ちゃん本舗など幅広いジャンルで導入いただいている。「アトカラ」とクレジットカードを併用して、使い分けているようだ。
▲エグゼクティブリーダー・BNPL担当・堀江和之氏
例えば、家電量販店の場合、60回払いのショッピングクレジットを利用する場合は、紙の申請書に記載するケースが一般的だ。実際は、5万円ほどの商品の購入の際に「アトカラ」が6回まで分割手数料が無料であればユーザーのペースで支払いが設定できる。紙ベースの申請の必要がない「デジタル信販」のようなサービスをイメージしている。
また、クレジットカードと異なり、「アトカラ」のアプリから自ら支払い回数を設定できるため、店頭スタッフとやり取りしなくても利用できる。
香月:総合通販やEC以外にも、物販ではないサービスを提供する企業への提案を強化していきたい。
<総合的な強み>
――GMO‐PSとしての総合的な強みとは?
香月:後払い決済のサービスにさらに磨きをかけ、GMO‐PGとそのグループが持つ多種多様なプロダクトを活用しながら、お客さまのメリットにつながるようにしていきたい。
EC業界における決済の知見も蓄積している。決済は導入して終わりというわけではない。導入後も当社のグループの営業担当者が、定期的に加盟店とコミュニケーションをとりながら一緒に課題を解決していくためのツールを提案していきたい。