中古ブランド品EC「BRING」、売上40%増の秘訣は『電話応対』 値下げ交渉に応じることも!?

STAYGOLD(ステイゴールド)が運営する中古ブランド品を取り扱うECサイト「BRING(ブリング)」の成長が続いている。2024年2月期における「BRING」のEC売上高は、前期比46.0%増の31億7000万円だった(2023年2月期は期末変更のため11カ月間決算)。

「LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)」や「Supreme(シュプリーム)」などの中古ブランド品を取り扱うため、販売単価は高額になる。電話受け付けに対応したり、値下げ交渉に対応したりすることで、”高価格帯”商品を効果的に販売している。

「楽天市場」や「メルカリShops(ショップス)」などに出店している。「楽天市場」でリユース品を販売する企業は、問い合わせ先として電話番号を明示していないケースが多いという。だが、「BRING」はトップページに分かりやすく「お問い合わせ電話番号」を記載している。

▲「BRING」の楽天ショップ

「高価格帯の商品は販売することが難しい。流行や手間の関係で現在は電話対応を受け付けなくなった企業が多い。だが、高価格帯商品こそ、オンラインだと細かい顧客対応が必要になる。『ここどうなっていますか』と細かい顧客の声に応える必要がある。電話対応の後、顧客になる消費者は多い」(BRING事業本部 事業戦略室 鈴木智明室長)と話す。

 

コールセンターは内製化している。東京・渋谷のオフィスで専門部署のスタッフが電話応対している。

 

「内製化している理由の1つに、オペレーターの”ファン”になってほしいという狙いがある」(同)と話す。

 

同社が考える”ファン”化は、雑談や身の上話をするのではなく、誠実な対応で支持してもらうことだという。

 

「電話応対で1件当たり数十分も時間をかけることはできない。驚くことに例え電話をかけてきた人が怒っていても、誠実な対応をすれば、別の日に商品を購入してくれていることもある。『ピンチを次の購入に生かせる』のは電話だからできることだろう」(同)と話す。

 

顧客から値下げ交渉を受けた場合は、提示された値引き幅をカスタマーチームが鈴木室長に伝え、判断する。2023年から「値下げ交渉」に対応しているが、EC売上高の増加に寄与しているという。

 

「値下げもさまざまなことを考えて実施している。例えばだが、1足10万円するハイブランドのサンダルがあったとする。この商品を値下げしないとすると、もしかしたら来年の夏まで売れ残る可能性がある。それなら早めに値下げして売ってしまい、そのキャッシュで人気の秋服を購入した方がいいこともある」(同)と話す。