野菜のサブスク展開の坂ノ途中、パナソニックと資本提携 「バリューチェーンの再構築」の加速目指す

野菜のサブスクリプションサービスなどを展開する坂ノ途中は6月28日、パナソニックがSBIインベストメントと共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド(パナソニックくらしビジョナリーファンド)を引受先とした第三者割当増資を実施した。パナソニックが持つコールドチェーン技術などを活用し、坂ノ途中が掲げる「バリューチェーンの再構築」の加速を目指す。

「100年先もつづく、農業を」のメッセージを掲げる坂ノ途中は、新たに農業をはじめた新規参入者をパートナーとして、化学合成農薬や化学肥料を使用せず育てられた農産物の流通販売を行ってきた。新規参入者がつくる、大規模流通にのらない少量不安定な農産物の価値を見直し消費者へ届ける「バリューチェーンの再構築」を目指している。その他、東南アジアの山間地域で高品質なコーヒーを栽培することで、森林保全と山間地での所得確保の両立を目指す「海ノ向こうコーヒー」も展開している。

このほど、ナソニックがSBIインベストメントと共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド(パナソニックくらしビジョナリーファンド)を引受先とした第三者割当増資を実施した。

国内随一のコールドチェーン技術を持つパナソニックと提携することで、鮮度管理能力の向上、CO2排出量削減、フードロス削減などを通じ、よりサステイナブルな農産物流通のあり方を築いていくとしている。

坂ノ途中は、環境負荷の小さな農業の広がりを目指し、年間数百種類の多様な野菜の流通販売を行ってきた。家庭に届ける野菜のサブスクリプションサービスが売上の6割を占めているが、今後、小売店、飲食店向けのBtoB事業も成長を見込んでいる。

一方、パナソニックは、「食」のインフラに関わる領域として調理家電以外にもコールドチェーン事業を展開し、業務用冷蔵・冷凍ショーケースなどB2B分野の製品も幅広く手がけてきた。特に、省エネや自然冷媒技術によるCO2排出量の削減など、環境に配慮したサプライチェーンの構築分野におけるフロントランナーだ。

坂ノ途中は今後、パナソニックと協業することで、BtoC事業でのコラボレーションのほか、BtoB分野での当社のプレゼンス向上や新しい販売方法の開拓も可能になるとの考えを示した。

今回の連携にあたり、坂ノ途中 代表取締役社長の小野邦彦氏は、「環境負荷に配慮した持続可能な農業を広げるという、今後社会全体で目指していくことになる変革にあたって当社が重要な役割を果たすであろうことを、同じくサスティナビリティ志向を掲げるパナソニックと思いを一致させることができました。今後、パナソニックと連携しながら、持続可能なライフスタイルを提案していきたいと考えています」と述べた。

パナソニック CVC推進室 室長の郷原邦男氏は、「食品EC市場の成長に伴い、当社の保有する冷蔵・冷凍などの鮮度維持技術がより重要になってきています。今回の坂ノ途中への出資を通して、D2C(Direct to Consumer)にとどまらず、店舗・レストラン・オフィスなど様々なお客様接点(チャネル)に対して、新鮮で美味しいプレミアムな食材をお届けする新しいバリューチェーンの構築が加速されていくことを期待しています」とコメントした。