【総務省】ローミング、25年度開始へ 通信障害時の対応策固まる

総務省は、通信障害などが発生した際に他の携帯電話会社の通信網に乗り入れる「ローミング」について、2025年度末までに開始する方針を明らかにした。ローミングの対象は一般通話やデータ通信など。

 緊急通報については、警察や消防からかけ直しをするための「呼び返し機能」がない、発信のみの方式に限定し、「できる限り早期に導入する」とした。ローミング導入について議論している有識者の検討会に、報告書案を提示した。

「呼び返し」機能がない問題への対応策としては、SIMカードに内蔵した識別番号を送信する仕組みを想定。この方式を遅くとも26年3月までに導入するよう明記し、携帯各社にスケジュールの前倒しを求めた。総務省は、これらの案に対する意見公募を行った上で、6月に正式な報告書をまとめる。

 通信障害時の対応ではこのほか、Wi-fiの無料開放についても明記された。

 携帯大手などが加盟する業界団体「無線LANビジネス推進連絡会」は、有識者検討会で災害時に運用してきた無料Wi-fi「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」を通信障害時にも無料開放する方針を公表した。

 連絡会では既にガイドラインを改定しており、近く運用を始める。これにより、通信障害時に無料Wi-fiを通じ、スマートフォンを使ったキャッシュレス決済やSNSの利用が可能になる。

 ローミングをめぐっては、KDDIが22年7月に起こした大規模通信障害を契機として、同年9月から総務省での議論が始まった。

 この障害では、通信ネットワークの中核部分で障害が起きたことから、利用者の一部で119番など緊急通報が長時間できない状態となり、非常時の有効的な対応策としての検討が進められていた。

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