EC業務効率化の要!「一元管理システム」の正しい選び方とは?『TEMPOSTAR』に聞く

EC市場は拡大しているものの、さまざまなコスト高や人材難などにより、ECサイトの運営は厳しさを増している。より効率的な運営体制が求められる中、EC運営業務の効率化に役立つ最もメジャーなツールが「一元管理システム」だ。コロナ禍に多店舗展開するEC事業者が増えたこともあり、複数ショップの受注処理や在庫情報、商品登録業務を一括して管理できる「一元管理システム」のニーズは高まっている。一方でサービスが急停止してしまうシステムや、利用料金を値上げする「一元管理システム」もあり、システムを移行する動きも活発化している。2004年から「一元管理システム」を提供する老舗企業のSAVAWAY(サバウェイ)は、長年のノウハウや知見を集約した一元管理システム「TEMPOSTAR」を2015年にリリースした。ASP型の最新性や導入のしやすさと、カスタマイズ型の対応力や柔軟性を兼ね備えた「ハイブリッドカスタマイズ」モデルで導入企業を拡大している。そんな「TEMPOSTAR」を提供するSAVAWAYのアカウントセールスチーム マネージャー 稲津健人氏と顧客サポートチーム マネージャー 渡部大流氏に「一元管理システムの適切な選び方」や「導入から運用までに気を付けるべき点」などを聞いた。

――コロナ禍を経て、「一元管理システム」導入のニーズは高まっているのか?

稲津:当社にお問い合わせいただくお客さまは大きく分けて「新規導入」「他社システムからの移行(リプレイス)」の2つに分けられます。

「新規導入」では、「コロナ禍にECを始めました」という方が増えていると感じています。

「リプレイス」もコロナ禍の影響でEC事業が拡大し、業務が急増し、「既存のシステムでは運用面で課題がある」という方からのご相談が増えています。

消費者がコロナ禍にECを利用することに慣れ、自社ECサイトやECモールの違いを理解したり、使い分けする方も増えています。その流れに対応するため、EC事業者側も複数店舗展開せざるを得ない状況になり、運営面を効率化するために「一元管理システム」を導入するケースも増えていると思います。

「TEMPOSTAR」はASP型のように安価に標準機能で一元管理を実現することもできますし、カスタマイズで導入企業の要望に対応することもできますので、「新規導入」「リプレイス」双方のニーズに応えることができます。そのため、ご相談いただいた事業者さまの要望にフィットさせることができ、導入していただける確率が高くなっています。

▲SAVAWAY アカウントセールスチーム マネージャー 稲津健人氏

――「一元管理システム」を選ぶ際に失敗するケースは?

稲津:「一元管理システム」を選ぶ際に、単純に導入実績を見たり、価格帯だけで判断したり、知り合いのショップから勧められたりした情報だけで導入を決めてしまい、導入後に蓋を開けてみたら自社の求めているものに合っていなかったというケースが多いと思います。

ASP型で「できる」と聞いていたことが実際はできる範囲が限られていたり、例えばパッケージシステム型はカスタマイズに対応してくれるがECモールの仕様変更への対応が遅かったりと導入して初めて気付くケースがあります。

SAVAWAYは2004年から「一元管理システム」を提供している老舗ですし、2015年に「TEMPOSTAR」をリリースする際にこれまでの経験に基づいて、必要な機能を網羅的に取り入れています。導入企業さまの声やエンジニアが必要だと感じたものなどを長年を掛けて集約しています。

その実績や知見を生かして、お問い合わせのあった企業さまには「一元管理システムの選び方」として紹介させていただいています。

――「一元管理システムの選び方」の具体的な内容は?

稲津:「一元管理システム」を導入するのであれば、「こういうところまで考えた方がいいよね」というものを取りまとめたものです。

例えば商品管理では、「複数モールの商品登録を一括でできます」という説明があったとしても、実際は商品説明文は登録できても、画像のアップロードには対応していないシステムがあります。そうすると結局は商品画像を手作業でモールの管理システムで登録する必要があり、かなり手間がかかることになります。

▲商品画像も含めて商品情報をモールや自社サイトに一括登録できる

アップロードの件数も上限があるケースがあります。1000件まで一括アップロードできないシステムの場合、3万点の商品があったら登録するために何十回も登録作業を繰り返さないといけません。

「TEMPOSTAR」ではECモールごとに商品情報を別々に持つこともできます。各モールと自社ECサイトで商品名や販売価格などを分けて登録することができます。

複数倉庫対応を気にされている事業者さまも多いです。ASP型だと複数倉庫での商品出荷に対応していないシステムもあります。

▲複数倉庫の在庫連動や商品出荷にも対応

サポート面でも、他社のシステムではフォロー体制が弱かったり、電話がつながりにくかったりする話も聞きます。対応チャネルもメールだけというシステムもあります。サポートの質も見ていかないと、導入から運用開始までに時間がかかったり、思うようにシステムを使いこなせないケースも生じます。

このような「一元管理システム」の導入でつまづきやすいポイントをまとめて、導入を検討しているお客さまの参考になるように紹介させていただいています。

――運営業務の自動化でも違いがあるのか?

稲津:「TEMPOSTAR」では「受注タグ」という機能で、受注処理の自動化に対応しています。イレギュラーな受注については振り分けて手動で処理することも可能です。

自動で受注を振り分ける機能をオプションやアプリとして有料で提供しているシステムもあります。「TEMPOSTAR」では標準機能で対応可能です。

▲標準機能で受注処理の自動化に対応

AmazonのFBAやヤマト運輸のフルフィルメントサービスを活用している店舗さまでは、受注から出荷指示、顧客へのメール送信まで全てを自動化することもできます。

さらに、オプションを使っていただければ、ルール設定に応じて、イレギュラーな受注情報を自動的に書き換えて、スタッフが手間をかけることなく処理することもできます。

もっと複雑な自動化を実現したい事業者さまには、カスタマイズでご対応させていただくことが可能です。

――カスタマイズや外部連携で気を付けるべきポイントもあるのか?

稲津:カスタマイズ対応しているシステムでも、ベースとなるシステムが提供時期によって複数のバージョンが存在しているケースがあります。この場合、ECモールの仕様変更にもそれぞれのバージョンで対応していく形になるので、仕様変更への対応が遅くなり、待たされてしまうことがあります。

▲「TEMPOSTAR」はベース部分をアップデートすると全社に適用される

そうなると思うようにサービス提供ができなかったり、競合店舗に先を越されたりすることがあります。「TEMPOSTAR」では、ベース部分はASP型と同様にパッケージとなっているため、ベース部分がECモールの仕様変更に対応すれば、カスタマイズ対応している店舗さまも同時にアップデートされます。

他にも外部サービスとサードパーティーのアプリで連携しているケースも確認が必要です。ECモールの仕様変更や「一元管理システム」側のアップデートに外部サービス側の対応が間に合っておらず、機能に不具合が生じたり、サービスが停止してしまうケースもあるようです。

バックヤード業務は、毎日の運用に関わる作業ですので、1日でも業務が止まってしまうと店舗様としては大変お困りになります。そのリスクが少ないシステムを選びたいということで、当社にご相談いただくケースが増えています。

――EC事業者の成長に応じてカスタマイズが必要になるケースもあるのか?

稲津:EC事業の成長に伴い、業務をより効率的に運用したいというニーズが出てきたり、連携したいシステムが増えてきたりすると、ASP型では対応しきれないケースがあります。

実は私も前職でECサイトの運営に携わっており、その経験をしています。安価な単機能のASPの「一元管理システム」を使い始めたものの、売り上げが伸びていくと、業務が大変になり、やりたいことも増えてきて、「今使っているASPではダメだ」となりました。

「一元管理システム」は日々の運営に使用するシステムなので、一度使い始めてしまうとなかなか切り替えづらい面もあります。仕方がないので現行のシステムが対応していない部分を手動でカバーし続けるようなケースもありますが、それもいつかは限界が来ます。

▲拡張性の高いハイブリッドカスタマイズのイメージ

「TEMPOSTAR」はASPとして利用できる標準部分がありつつ、オプションで一部の機能拡張に対応したり、さらに必要があれば本格的にカスタマイズを実現することができます。システム移行や運用方法の変更などのリスクがなく、機能を拡張できます。私がEC運営をしている当時に「TEMPOSTAR」があれば、絶対導入していたと思います。

――「TEMPOSTA」の導入コストは高い?

稲津:むしろ安い方だと思います。他社のシステムと比べても、初期費用はかかりませんし、月額の基本料金は1万円~となっています。基本料金に加えて、商品登録上限数によって変動する月額の「商品課金」と、月間受注件数によっていただく「受注課金」があります。受注課金は従量プランと 定額プランを選択できます。

固定費用は安い方だと思いますし、「受注課金」も「受注件数が増える=売り上げが伸びる」ことで上がる仕組みなので、導入企業さまにも負担感は少ないと思います。

追加の保守費用や、連携するカートやモールの数に応じて徴収するオプション料金はありません。トータルで見ると割安感のあるプランになっていると考えています。

――オムニチャネルなどを展開するにあたり、外部システムとの連携やトータルパッケージとして提案するようなケースはあるのか?

稲津:外部連携しやすいシステムになっています。カスタマイズ対応で柔軟にさまざまなシステムと連携することも可能です。POSシステムや販売管理システムなどとの連携実績も豊富です。

オムニチャネル展開したい企業に向けて、外部のパートナー企業とオムニチャネル対応のパッケージを提供することも可能です。

「TEMPOSTAR」はECモールやカートの受注管理や商品管理などの運用システムとして活躍するだけではなく、単にそれらの情報連携だけを担うデータのハブみたいな役割もできます。導入企業さまの環境やニーズに応じて導入していただける点も強みとなっています。

――サポート体制の特長は?

渡部:「TEMPOSTAR」は導入企業さまによって、さまざまな使い方をしていただけるシステムですが、その分、どこから手を付けていいか分からないというお客さまもいます。

そこで基本的な標準的な機能の導入の手順をまとめた「標準業務手順」として「初期設定ガイド」「運用マニュアル」を再構成しています。その手順をベースにお客さまが導入の道筋を自分で作りやすくする資料になっています。

「標準業務手順」だけでは導入が難しいお客さまには、「何にお困りになっているのか」「どういう運営体制なのか」などをお聞きし、どの部分から導入を進めていくと良いのかを相談しながらサポートしています。

お客さまが受注処理を気にしているのか、在庫の連動のところ困っているのかを丁寧に一つ一つ聞いていき、優先度を付けて導入を進める形を提案しています。

稲津:コロナ禍にオンラインセミナーやオンラインサポートを提供する機会が増えています。

オンラインサポートでは、ZOOMなどで管理画面を見ながらサポートしたり、実際の作業方法をデモ画面で見ていただいたりすることで、電話やメールでお伝えするよりも分かりやすいという声をいただいています。

オンラインセミナーでも導入の手順を解説するプログラムを開催し、自社の状況に応じてセミナーを受講することで、「TEMPOSTAR」の理解が深まる機会を提供しています。

▲サポートのチャネルが多い

――サポート担当者の質も高いのか?

渡部:「サポートの担当者の知識が深い」と言っていただくことがよくあります。「この処理をしたいけど動かない」という問い合わせに対して、その原因を早期に発見し、対応策をお伝えすることができています。

動かなかった原因を把握するだけではなく、お客さまが何を目的にその機能を使いたいかも聞くようにしています。問い合わせに答えるだけではなく、お客さまの目的に合わせて、「それならばこういったアプローチもあります」という提案も一緒にさせていただくケースもあります。そういった部分も含めて、「サポートの質がいい」と褒めていただくことがあります。

このような対応ができるのも、社内でサポート部隊を持っておりますので、企画開発の部署と非常に距離が近く、すぐに不明点を確認できる環境にあります。

各担当者の知識を深めるために定期的な勉強会も開いています。

▲SAVAWAY 顧客サポートチーム マネージャー 渡部大流氏

――サポート体制のさらなる強化のために考えていることは?

渡部:「受注管理」「在庫管理」「商品管理」のそれぞれに精通したサポート担当がおり、その担当が専門領域の説明をさせていただくと深いご案内ができているのですが、それですと属人的になりすぎる面があります。

どの担当者でも同じように深くご案内できるように、専門領域に強い担当が持っている知識を他の担当に対して共有していく機会を増やしています。

知識の平準化を図ることで対応のスピードも上がり、お客さまの課題解決の迅速化にもつながると考えています。

サポート担当の知識をFAQサイトやマニュアルサイトに反映していく取り組みも強化しています。FAQやマニュアルを拡充することで、導入店舗さまが自己解決しやすい環境も整備していきたいと考えています。

■「TEMPOSTAR」

https://commerce-star.com