健康食品受託製造最大手のアピは、機能性表示食品開発の総合支援体制を整えている。「売れる商品コンセプト」の提案から、機能性原料やSR(研究レビュー)の調査・探索、商品の開発、届け出手続きに至るまでを、一からワンストップでフルサポートできる。独自のSR(研究レビュー)を制作するプロジェクト「APIs SR(アピズエスアール)」も推進しており、トリプルヘルスクレームの届け出の受理実績も複数生まれている。「APIs SR」を利用すれば迅速な機能性表示食品の商品化が可能になるという。一方で、これまでにない画期的な機能性表示食品を一から、同社とともに開発することも可能だ。
同社では、機能性表示食品について、自社の研究拠点「長良川リサーチセンター」を中軸に、充実した研究開発体制を構築している。
同社では、「APIs SR」のバリエーションの拡充にも取り組んでいる。
「APIs SR」は、機能性表示食品制度に対応した、独自のSRを制作するプロジェクト。「APIs SR」の既受理品と同内容の処方であれば、〝ゾロ品〟としてスピーディーな届け出の受理が期待できる。既受理品をベースに、処方に改変を加えることもできるという。
同社では「〝ゾロ品〟を一度発売し市場の状況を見極めた上で、本格的なオリジナル機能性表示食品を開発するのも有効」(小川一章専務)だと話す。「APIs SR」を活用することにより、原料の選択肢が増え、結果として、機能性表示食品開発のコストダウンにつながる可能性もありそうだ。
「APIs SR」に基づき届け出が受理された機能性表示食品の中には、複数の機能性を表示できるものも多くある。
例えば、2022年10月に届け出が受理された同社のNB(ナショナルブランド)品「LOCOMO knee(ロコモニー)」は、関節分野でトリプルヘルスクレームを実現している。
機能性関与成分は「ウコンエキス(指標成分:ウコン由来多糖類、p―クマル酸)」。機能性として「3つの膝機能(日常生活における階段上りなどの歩行時における膝の違和感軽減、膝の柔軟性向上、膝周囲の筋力維持)をサポートすることが報告されています」と表示している。
「ウコンエキス」を機能性関与成分として、膝への機能性を表示する機能性表示食品の届け出が受理されたのは、業界初だった。「1日2粒」という「粒数の少量化」を実現した処方設計も好評だという。
▲「LOCOMO knee(ロコモニー)」
美容分野でトリプルヘルスクレームを実現した機能性表示食品「Balift+(バリフトプラス)」の開発にも成功している。
同商品では、美容分野で人気の高い、「紫外線」「弾力」「潤い」「抗酸化」という三つのヘルスクレーム、四つのキーワードをすべて、表示に盛り込むことが可能だ。機能性表示食品において可能な、美容訴求の表示を網羅できる。
機能性関与成分は、「ベータカロテン」「GABA」「こんにゃく由来グルコシルセラミド」の三つ。機能性としては、「抗酸化作用を持つベータカロテンは、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性があることが報告されています。また、GABAには、肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能があることが報告されています。こんにゃく由来グルコシルセラミドは、肌の潤い(水分)を逃がしにくくすることが報告されています」と表示している。
▲「Balift+(バリフトプラス)」
同社の独自SRを活用することにより、商品設計の自由度が高まる点が好評で、「LOCOMO knee」「Balift+」以外にも、さまざまなコンセプトの組み合わせ提案が可能だ。
例えば、「肌の潤い×紫外線ケア×血流」や「肝臓ケア×尿酸値×内臓脂肪」、「骨ケア×活気・活力」など、各訴求にひもづく関与成分(原材料)の物性、組み合わせも考慮した上で、最適な剤型を選択することもできる。
ゼロベースからの機能性表示食品の開発も、同社の得意とするところだ。「売れる商品コンセプト」の提案や、候補成分の選定、機能性関与成分の組み合わせの提案も含め行うことができるという。
同社では、「成分によっては、組み合わせた際に相性が悪いケースもある。当社では、機能性表示食品について多様な実績を有しているため、ご希望のヘルスクレームを実現できる、最適な成分の組み合わせを提案させていただける」(同)としている。
「詳細なビジョンを準備してご相談をいただいてももちろん大丈夫だが、例えば『美容関連の機能性表示食品を作りたい』とか『50代の女性に訴求できる機能性表示食品を作りたい』といった、漠然としたご要望をいただくだけでも、最適な機能性表示食品の開発を提案させていただける。商品コンセプトや顧客層、コストなどを勘案した上で、その会社に最適な機能性表示食品の開発を提案させていただく」(同)と話している。
・アピ
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