「futureshop」、ライブコマース機能「Live cottage」の提供拡大 他社カートでも利用可能に

SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を展開するフューチャーショップはこのほど、これまで「futureshop」利用ユーザーのみに提供していた自社ECサイト内ライブコマース機能「Live cottage(ライブコテージ)」の提供対象を拡大し、すべてのEC事業者への提供を開始する。これにより「Live cottage」を単独のライブコマースサービスとして販売するとし、6月下旬~7月初旬に予定しているのサービス提供開始に先がけ、5月30日より問い合わせ窓口を設置し、サービス説明を開始した。日本の中小企業によるライブコマース活用を促進し、ライブコマース市場の活性化を推進する。

フューチャーショップはこのほど、これまでSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のオプション機能として提供していた自社ECサイト内ライブコマース機能「Live cottage」の単独提供を開始する。これにより「futureshop」を利用していない事業者も「Live cottage」の利用が可能になる。

「Live cottage」は、中小EC事業者にとっての使いやすさを追求したライブコマースサービスとなっており、導入しやすく続けやすい料金設定はその特徴の1つ。他社が提供する同様の自社ライブコマースソリューションサービスは、月額数万円~10万円以上の価格帯に加え、配信量に応じた従量課金体系や売上手数料が発生する場合が多いのに対し、月額3万円台で無料配信枠が毎月付与され、売上手数料も発生しないため、低価格のランニングコストで自社ライブに取り組むことが可能だ。

貴重な人的リソースを無駄にしないように、毎回のライブ施策の是非を定量データで分析できる機能も備える。「いつ入室が増え、いつ退室されてしまったのか」「ライブを経由して、商品サムネイルがどれくらいクリックされたのか」などをリアルタイムに分析することができる。

▲分析機能のイメージ

定量データだけに留まらず、SNSライブのアーカイブ動画では消えてしまうライブ中の「視聴者コメント」の振り返りも可能なため、定性データでライブを振り返ることもできる。定量データ・定性データの両方から、「どういったトークスクリプトであれば視聴者が興味を持ち続け、どのタイミングで興味を失い、退室してしまうのか?」という分析を重ねることができ、事業者にとって貴重な財産となりうるライブ配信のノウハウ、商品・ブランドの見せ方のノウハウを蓄積することが可能だ。

▲入退室の状況を可視化

SNSライブコマースでは、ライブで紹介された商品が気になっても、商品ページを見るにはライブから離脱しなくてはならず、ライブ配信から購入への動線が切れてしまうことが課題となっている。

一方、「Live cottage」では、ライブ視聴画面に商品サムネイルが表示され、タップすればそのまま商品の詳細を確認できる。購入したいと思った瞬間を逃さず購入画面へ導くことで、ライブ視聴から商品ページ閲覧・購入完了までのスムーズな導線を実現している。

▲視聴画面からスムーズに購入できる

ライブ配信という「同じ時を過ごす体験」を通じて、既存顧客、特に「常連・ファン層」と呼ばれる人々とのエンゲージメントを高め、長期的な関係性を醸成していくことが中小EC事業者にとってのライブコマースの役割であるとの考えから、「それはまるでコテージのような小さな空間にお客様をお招きして、同じものが好きな人と同じ時間を共有しているような心地の良い体験」であるとし、「Live cottage」のサービス名には、ライブコマースサービスでそうした「心がつながる体験」が生まれることへの願いを込めたとしている。

「Live cottage」のサービス開始予定は、6月下旬~7月初旬となっており、これに先行して設置した問い合わせ窓口において、サービスについての相談を受け付けている。

コロナ禍で改めて注目が集まったライブコマースは、日本における市場が拡大していく予測も出ており、大手事業者での活用事例が目立ち始めている。インフルエンサーの起用や大幅な値下げ・割引クーポンの活用などで、短時間に大きな売上を上げたケースが注目を集める傾向にある。

一方で、インフルエンサー起用のコストや利益を考えると、中小EC事業者が同じ手段を取ることは難しい。そもそもの配信サービス導入段階においても「コストが高い」「受注処理がライブシステムと自社ECサイトで分断されてしまう」など、ニーズに合致するサービスがなく、多くの事業者がが二の足を踏んでいる状況があった。

こうした状況を受けフューチャーショップは2022年9月、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のオプション機能として、中小EC事業者が事業規模に見合ったコスト感で始められ、現在の業務に沿う形での利用ができる自社ECライブ配信サービス「Live cottage」をリリースした。

「futureshop」において「Live cottage」利用店舗のライブをサポートする中で、ライブを見にきたユーザー、コメントをしてくれるユーザーなど、その店や商品が好きで、長年に渡り愛用している人の存在を肌身で実感している光景があったという。

ライブコマースが取り上げられる際の多くが「売上」にフォーカスしたものだが、実際の現場に関わることで、配信者側にかけがえのないエモーショナルな体験が起きていると気付かされ、それを視聴している顧客にとっても自身の想いを伝えられる「感情を伴った体験」の場所になっていることが見えてきたとし、「中小EC事業者にこそライブコマースが必要」とより一層確信するとともに、「futureshop」ユーザー以外の事業者からも利用を望む声が多く寄せられたことから、提供対象の拡大、および「futureshop」から独立した単独のサービスとして販売開始に至ったとしている。

今回の取り組みにあたり、フューチャーショップの代表取締役 星野裕子氏は、「コロナ禍になり実店舗での営業ができなくなった事業者が、Instagramでのライブ配信に挑戦されるのを拝見する機会がありました。実際にライブが始まると、出演者の方とお客様の間でのコミュニケーションだけでなく、お客様同士での交流も盛んに発生し、これはライブ配信でしか実現できないコミュニケーションであることを感じさせられる出来事でした」と話した。

今後のEC事業者にとって、「『コミュニティ』の醸成がより重要になる」と考えている中で、ライブ配信は欠かせないコミュニケーション手段になると確信したことから「Live cottage」のリリースに至ったとともに、「futureshop」ユーザーだけでなく、すべてのEC事業者へ提供する運びとなったとし、「これから先、ライブコマースの活用が浸透していくと予測されている状況で、早めにそのスキルを磨いておくことは、EC事業者の成長に必ずつながってくるものと考えています。『Live cottage』を通じて、感情を軸としたファン同士がつながりあえるコミュニティを醸成し、ブランドの将来を見据えてお客様との良好な関係を築いていただければと考えています」とコメントした。