アスクルはこのほど、22年11月に本格稼働した物流の基幹センター「ASKUL東京DC」の内部を公開した。BtoB通販用の最先端センターは高密度、高生産性を実現。同社の同規模のセンター「ALP横浜」と比較しても、保管効率が1.5倍、出荷能力が1.3倍高いという。
アスクルは全国に10カ所の主要物流センターを運営している。BtoB専用が6カ所、BtoC専用が1カ所、BtoBとBtoC兼用が2カ所、前捌き・3PL事業用が1カ所となっている。都市部では最短で当日配送、全国で最短で翌日配送を実現している。
「ASKUL東京DC」は地上5階建で延床面積は5万6255平方メートルある。高度自動化により、自動梱包に約80%対応している。年間出荷能力は650億円規模を誇る。
▲保管能力が高い「ケース自動倉庫」
「アスクルの未来を担う物流センターが誕生した。『ASKUL東京DC』は当社の同規模のセンターと比較しても、在庫アイテム数は2.6倍、庫内費は20%削減している。高密度保管により、在庫商品数を拡大し、ロングテールの”明日来る”というサービスを実現する」(執行役員 ロジステイクス本部長 伊藤珠美氏)と語る。
▲執行役員 ロジステイクス本部長 伊藤珠美氏
▲商品が作業員の手元に来る「GTP(グッズ・トゥ・パーソン)」
入荷・棚入れ・保管では、「ケース自動倉庫」「パレット自動倉庫」といったロボティクスを導入している。ピッキングでは、作業者の手元に商品を運ぶ「GTP(グッズ・トゥ・パーソン)」や、ピッキングを効率化する「DPS(デジタル・ピッキング・システム)」を設置した。
▲大物「DPS(デジタル・ピッキング・システム)」
搬送には、省スペースで上下フロアの搬送を実現する「スパイラルコンベア」を採用している。
▲「スパイラルコンベア」
梱包には、箱の大きさに応じて折り畳み、ふたをする「I‐Pack高さ可変梱包機」を導入。出荷・方面別仕分けには「紙袋仕分けソーター」「荷合わせ兼仕分けソーター」などを設置している。
▲I‐Pack高さ可変梱包機
▲「紙袋仕分けソーター」
▲「荷合わせ出荷仕分けソーター」
免震構造を採用し、災害対策も万全だ。スタッフに昼食を無償提供し、職場環境を整備することで人材確保にも配慮している。
▲昼食を無償提供