大日本印刷・北島義斉社長が語る2023年 「DXの推進で地方創生を!」

─ 大日本印刷社長の北島義斉さん、印刷技術を応用してエレクトロニクスや情報サービスなど、様々な事業を開拓してきたわけですが、23年の印刷業界をどう見通しますか。 

【2023新春インタビュー】北村俊昭・INPEX会長を直撃!

 北島 やはり、紙メディアは減少し続けていますので、業界全体で新しいことに取り組まなければならないと感じています。 

 当社は成長領域において今後伸ばしていくべき事業を「注力事業」と定めて積極的に投資をしているところです。特にニーズが高まっているのが、リチウムイオン電池の外装材であるバッテリーパウチです。われわれは早くから情報端末向けと並行して、EV向けのバッテリーパウチの展開に動いていました。 

 足元ではコロナ禍で自動車の生産がダウンしたり、中国のロックダウン(都市封鎖)でスマホの生産がマイナスになっている面もありますが、中長期的には伸びると見ています。 

 EVの需要の高まりに応じて、既存の福岡県の戸畑工場と埼玉県の鶴瀬工場でラインを増設してきました。 

 これからも米国を中心にどんどんEV電池の工場が建設される予定ですから、われわれも海外を含めて新工場の建設を検討しています。 

 ─ やはり、投資の中心は注力事業になりますね。 

 北島 はい。デンマークにある、もともとプロジェクションスクリーンを製造していた工場でも、バッテリーパウチの後工程のラインを開設済みです。 

 また、われわれは24年の稼働を目指して、北九州市の黒崎工場内に、大型の有機ELディスプレイ製造用メタルマスクを生産するラインを新設します。約200億円の投資です。 

 ここはもともと液晶のカラーフィルターを生産していました。これがなくなりましたので、跡地を活用します。有機ELもだんだんスマホだけでなく、タブレット端末や大型のディスプレイにも採用されるようになってきましたから、今後さらに期待できる分野だと思います。 

 ─ それと最近は地方創生にも取り組まれていますね。 

 北島 ええ。三重県で「医療MaaS(次世代移動サービス)」の実証実験に参画しています。例えば、車が高齢者の自宅付近まで出向いて、車内で診察や保健指導を受けられるような仕組みがつくれないかということに取り組んでいます。 

 先日は佐賀県嬉野市でメタバース(仮想空間)と連動した観光体験を提供し、地方創生を支援するような取り組みも始めました。 

 地方活性化のため、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる自治体はいくつも出ていますから、われわれもできる限り協力していきたいと考えています。