【総務省】大規模通信障害時の対応策 広範囲な「ローミング」導入へ

総務省は、通信障害などが発生した際に他の携帯電話会社の通信網に乗り入れる「ローミング」について、広範囲のサービスを対象とすべきとする方針を示した。ローミング導入について議論している有識者の検討会に、報告書案を提示した。

 KDDIは7月、大規模な通信障害を発生させ、利用者の一部は119番など緊急通報が長時間できない状態となった。総務省は、こうした事態を回避するため、今年9月から非常時の対応としてローミング導入の検討を進めてきた。今回示された案では、ローミングの早期導入に加え、一般の通話やデータ通信などを対象範囲とする方針を明記した。

 大規模障害時のローミングについては、寺田稔前総務相が就任直後から導入に意欲を示していた。総務省は、有識者による最終的な議論を経て、年内にも報告書をまとめる予定だが、寺田氏は政治資金をめぐる自身の不祥事により、議論の結末を見ることなく更迭される格好となった。

 報告書案では、一般通話やデータ通信、消防や警察などが通報者にかけ直せる「呼び返し」が可能なローミング方式について、NTTドコモなど携帯大手各社が早期に取り組む方向性を示した。運用ルールについては、検討会の下に新たに作業班を設置して議論するよう求めた。

 通信ネットワークの中核部分で障害が発生し、ローミングが困難な場合の対応も焦点だった。こうしたケースについては、端末に複数のSIMカードを入れて障害に備えるなどローミング以外の通信手段の活用を利用者に促すとした。

 検討会では今後、呼び返し機能がない緊急通報の発信のみを可能とするローミングなどを議論。この部分については、2023年6月ごろまでに方向性をまとめる。

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