中間決算で2年ぶりの最終減益 円安メリットを享受できない【トヨタ】

「これまでもリーマン・ショックをはじめ、先を見通すことが難しいことは何度もあった。今回はそれまでを超えるような変化が起こっている」─。こう語るのはトヨタ自動車副社長の近健太氏だ。

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 堅調な新車需要が目の前にあっても供給ができない……。そんなもどかしい状況にあるのが今のトヨタだ。2022年9月中間連結決算は最終利益が前年同期比23・2%減の1兆1710億円だった。中間決算としては2年ぶりの最終減益。加えて、7―9月期の連結純利益では初めて米テスラに負けた。

 為替の円安効果は追い風となったが、それ以上に原材料価格の高騰などの負担が重く、カバーしきれなかった。その額は1兆6500億円に上る。

 近氏は「リーマン・ショック前と比べて損益分岐点を30%以上引き下げることができた」と体質改善の成果を語る。一方で、部品メーカーの原材料の値上がり分を普段より早く調達価格に反映できるようにし、その分の費用も計上するなどサプライヤーとの関係強化も図る。

 それでも増益を達成できなかったのは販売台数を伸ばせなかったからだ。新車の引き合いは強い。トヨタも当初は減産が続いても期初の年間世界生産台数の見通しを970万台で維持してきた。「サプライヤーへのトヨタとしての意思表示」(関係者)を表すためだ。ところが初めて920万台に下方修正。経理本部長の山本正裕氏は「半導体の調達リスクなど、先を見通すことが依然困難な状況」と話す。

 辛いのは高級車ブランド「レクサス」や大型ミニバン「アルファード」など利幅の大きい車種になればなるほど、使われる半導体が多いという点だ。「1日でもトラブルがあれば減産につながり、依然としてリスクは続く」(調達本部長の熊倉和生氏)という。

 23年3月期の連結業績予想は売上高を上方修正し36兆円としたが、営業利益と最終利益の予想は据え置いた。逆風が吹き続ける中、トヨタの緊張感は続く。