住友不動産の「羽田ホテル」が開業延期から2年半で再始動

円安の副作用で海外から注目の日本観光

「2020年4月の開業延期から2年半、開業のご案内ができることは喜ばしい」─こう話すのは、住友不動産ヴィラフォンテーヌ社長の桝井俊幸氏。

 10月6日、住友不動産と関連3社は、コロナ禍の影響で開業を延期していた羽田空港第3ターミナル直結の複合開発プロジェクト「羽田エアポートガーデン」を23年1月に全面開業することを発表した。

 それに先行して、中核施設である、エアポートホテルとして日本最大となる1717室を擁する「ホテルヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港・グランド羽田空港」の宿泊を22年12月21日から開始する。

 この施設は20年4月の開業に向けて準備が進められていたが、コロナ禍による緊急事態宣言の発令などを受けて開業延期を余儀なくされた。

 それから2年半、施設の維持管理はもちろんのこと、スタッフの雇用にも苦労した。この業界は人手不足もあり、研修までした人材は貴重。そこで住友不動産のオフィスビルなどで働いてもらうなどして雇用を継続。

 ホテルを始めとした観光業界はこの2年余り、逆風を受け続けてきたが、ここに来てようやく前向きな動きが出てきた。

 22年11月には、政府が「水際対策」を緩和。これによってインバウンド(訪日外国人観光客)の復活が期待されている他、「全国旅行支援」によって国内旅行需要が喚起されそうだ。これまで我慢していた旅行に出かける「リベンジ旅行」が始まると見られている。

 また、インバウンドは欧米、アジアの居住者に対するアンケート調査では、行きたい国のトップが日本。為替の円安は国力の低下という面はあるが、インバウンドでは旅行予算のアップという点で日本にプラス。

 ただ、地方などで急ピッチでホテル建設計画が進む一方、スタッフの確保ができないという課題を抱えるところも多い。また、周囲の飲食店が潰れ、「食事難民」を危惧する声も出る。

 明暗相半ばする中、住友不動産の施設は、再び動き出すインバウンドを迎える「玄関口」の役割を果たすことができるかが注視されている。