インテリア写真共有サービス「RoomClip」、「RoomClip Award 2022」を開催 「癒し」を求める流れが顕著に

日本最大のインテリア写真共有サービス「RoomClip(ルームクリップ) 」を運営するルームクリップはこのほど、「RoomClip(ルームクリップ)」のデータを分析し、その年の住まいと暮らしのトレンドを選出する「RoomClip Award 2022」を発表した。キーワードランキング1位には「パーソナル癒しスペース」、ベストプロダクトには「Panthella Portable」などが選出された。2023年のトレンド予測には、ホームサウナや1人1室寝室などを挙げた。

ルームクリップの運営する「RoomClip」は、家具や家電、雑貨などインテリアの写真を投稿・閲覧できる、住生活の領域に特化した日本最大級のソーシャルプラットフォーム。月間ユーザー数は600万人、写真枚数は500万枚を超え、「実際に人が生活している部屋の写真とデータ」が集まる日本最大のインテリア写真共有サービスとなっている。

▲左から髙重正彦代表、RoomClip住文化研究所 上席研究員 水上淳史氏

ルームクリップでは、「RoomClip」に投稿された実例写真と、写真に付与されたタグ、いいね、コメント、検索キーワードなどの膨大なデータを定量・定性的に分析し、その年の住まい・暮らし領域のトレンドや次の年のトレンド予測を発表する「RoomClip Award」を実施しており、このほど「RoomClip Award 2022」を発表した。

2015年に発表を開始した「RoomClip Award」は、2022年で8回目の開催となる。2020年からは、トレンドワードをランキング形式で選定する「キーワードランキング」に加えて、その年を象徴する住まい・暮らし領域の商品を選定する「ベストプロダクト」の発表も行っており、2022年はトレンドを支えた「ベストプロダクト」として12アイテムを選出した。

トレンドワードを選出する「RoomClip Award 2022 キーワードランキング」の1位は、「パーソナル癒しスペース」がランクインした。新型コロナウイルス感染拡大から3年、暮らしの現場では、ニューノーマルな暮らしが定着していくその裏で徐々に蓄積してきた「疲れ」が顕在化し、「癒し」を求める新しい動きが生まれた。「RoomClip」においても、「癒し」タグは例年の3倍以上、「くつろぎ空間」タグは例年の9倍以上と、癒しを主題にした投稿が急激な勢いで増加している。「パーソナル癒しスペース」は、こうした状況で見出された「ひとり癒されるための場所」。最もよく見る形式は、リビングの隅や窓辺に、少しゆったりとした1人掛けの椅子を中心に照明、植物、香りなどを用いて構築されたもの。「癒しタイム」「癒しセット」など、過ごし方やグッズをテーマにした投稿も増えており、連動して暮らしの「癒し」ノウハウが蓄積している。

ランキング2位は、「まとめ買いルーティーン」だった。急激な円安よる値上げが家計を直撃した2022年、節約思考の高まりから暮らしのシーンで広く行われたのが、日々の買い物習慣の見直しだった。「コストコ」「業務スーパー」、あるいは特売で日用品や食品を大量買いする「まとめ買いルーティン」では、購入後の小分けや下ごしらえなどの処理を施し、冷凍庫やパントリーに収納するまでの一連の流れが再構築された。家計防衛の意味に加え、買い物の回数を減らすことが時短にも繋がること、下ごしらえによって平日の炊事が楽になること、まとめ買い自体がストレス解消につながることなどの副次的なメリットもある買い物習慣は、広く生活者の注目を集めた。

ランキング3位は、「快眠ベッドルーム」がランクインした。睡眠をテーマにした商品やビジネスが話題になった2022年、暮らしのシーンでも「快眠」を主題にしたベットルームの改善がトレンドとなった。寝具にこだわる人が増加し、マットレス、まくら、布団などの寝具に関連する投稿率は軒並み過去最大を記録。さらにサイドテーブルや照明、サーキュレーター、ルームフレグランスなどのベッドまわりの環境改善や、布団乾燥機といった寝具のメンテナンス関連商品まで注目が及んだ。一方で、環境改善だけでなく、寝る前に行われる家のリセット、明日の準備などのホームケアやストレッチやスキンケアなどのセルフケアのルーティンを見直し、確立しようという動きも連動して進んでいる。

4位以降には、以下のキーワードがランクインした。

【4位:ジャパンディ】

北欧スタイルをベースとして、和の要素を取り入れるインテリアスタイル「ジャパンディ」。北欧要素に加え、置き畳や、和紙の照明、籠、木彫りの熊などの要素が「くつろげる」と人気を集めた。トレンドの背景には、中古リサイクル市場への空き家から出る日本の古道具や雑貨の供給増による選択肢の増加があったようだ。

【5位:推しディスプレイ】

自分にとってイチオシのキャラクターやアイドルを応援する活動「推し活」の舞台は、コロナ禍が長引くにつれ部屋の中にも広がり、それらを飾るスペース「推しディスプレイ」として定着している。自室に設けられた専用の棚や壁面のディスプレイスペースは「祭壇」とも呼ばれ、自分だけの癒し空間として多くの部屋に作られた。

【6位:充電ステーション】

身の回りに充電式の機器が増えるのに伴い、それらをいかに充電するかという問題が顕在化してきている。スマートフォンやタブレットに加え、ゲーム機、バッテリーの他、照明器具、扇風機や調理器具など対象は増え続けており、それらの多様なデバイスのためにDIYで作られた多様なスタイルの「充電ステーション」が話題になった。

【7位:やめ家事テク】

家事の時短効率化の延長線上に、家事のプロセスの一部を省略したり、細かい家事そのものをやめることも視野に入ってきている。ハンガーにかけたまま収納することで洗濯ものを畳むプロセスを省いたり、朝食に関連する道具をまとめて毎朝集めるプロセスを省くなど、1日の暮らしの様々なシーンでやめ家事テクが登場した。

【8位:ハイプラ買い】

これまでのプチプラ人気は継続しつつも、それとは相反するようなハイプライスなものを暮らしに取り入れる動きがにわかに広がっている。特定の時代やスタイルの区別なく、様々な名品・逸品が対象になっている。良いものを長く使いたいというニーズの高まりに加え、値上げ前の駆け込み需要、暮らし領域の二次流通市場の成熟が背景にある。

【9位:スマートロック】

スマートデバイスの普及が進むなか、2022年はスマートロックが投稿数でもスマートスピーカーを上回った。両手が塞がった状態でドアの開閉を行うシーンの多い子育て世代を中心にコメントが盛り上がっている。新築のタイミングで導入するビルトインタイプに加え、後付けタイプの選択肢が広がってきたことも普及の後押しとなっている。

【10位:ヌック】

「癒し」の空間と時間に注目が集まった2022年、奥まった小さな寛ぎスペース「ヌック」が話題となった。リビング階段下に設ける「階段下ヌック」は、新しい階段下スペースの利用方法として新築やリフォームで採用されはじめた。窓辺に小上がりを設ける「窓辺ヌック」は、DIYで構築される例も増え始めている。

2022年のトレンドについてルームクリップは、新型コロナウイルス感染拡大から3年、2022年の3月には「まん延防止等重点措置」が解除され、自粛ムードも薄れてきた一方「ウクライナ情勢」や「急激な円安による値上げ」など新しい不安要素が生まれたとし、暮らしの現場では、ニューノーマルな暮らしの急激な変化への対応が定着していく中で、徐々に蓄積してきた「疲れ」が顕在化し、「癒し」を求める新しい動きへと繋がっているとした。

「パーソナル癒しスペース」「快眠ベッドルーム」に加え、4位にランクインした「ジャパンディ」、5位にランクインした「推しディスプレイ」、10位にランクインした「ヌック」、さらに今回選出したキーワード以外でも「花と植物」「カフェ」「ねこ」「ソファ」など、軒並み過去最高水準の投稿があったとし、身体的な癒しだけでなく、精神的な癒しを求めていることが特徴的だとの見解を示した。

また、近年進んでいる家事の時短効率化というニーズは継続しつつ、値上げへの対抗やよりタイパを意識した「まとめ買いルーティン」や「やめ家事テク」(7位)に注目が集まった。こうした効率化・時短の意識は、スマート家電の導入やスマート家電を迎えるための環境整備も後押しし、「スマートロック」(9位)や「充電ステーション」(9位)への注目につながったとしている。さらにイエナカへの消費が進む中で、相対的に高単価な「家具」や「インテリア」に対しても投稿が蓄積されてきたことが「ハイプラ買い」をしやすい環境を整えたと推察している。

2023年のトレンド予測には、「ととのう」のある暮らしを実現する「ホームサウナ」、快眠を追求できる「1人1寝室」、「冷凍容量不足問題」を挙げた。

2010年代後半からのサウナブームはますます広がりをみせ、2022年はプライベートな貸し切り・個室サウナが話題となった。こうした状況の中、いよいよおうちサウナが盛り上がりの兆しだとし、自宅の庭やテラスでのサウナテントの利用や、DIYのサウナ小屋、さらには家を作るタイミングでサウナ導入が注目されだとしている。

寝室、ベッドまわりの投稿のネガティブなワードを分析すると、一緒に寝ている人から受けるストレス「いびき」「体感温度」などに言及されているケースが見れるとし、快眠を求める動きは、家づくりは、間取りにまで及ぶ可能性がでてきているとした。現在起こっている睡眠ブームの中で、寝具やベッド周りの環境にこだわりきった先には、一人一室寝室を持つという動きに繋がるかもしれないと推察している。

まとめ買いトレンドが進む中、食品の買い物の頻度を減らし1度に買う量を増やす傾向のボトルネックは、冷凍庫の容量不足であるとし、2020年から徐々に話題に上がるようになってきた「セカンド冷凍庫」の導入や、冷蔵庫と冷凍庫の比率が異なる「冷凍庫の大きい冷蔵庫」に注目が集まりそうだとしている。

2022年の暮らしを支え、注目を集めた商品「ベストプロダクト」では、各トレンドにちなむアイテムカテゴリーについて、「RoomClip」への投稿数やEC誘導数、伸長率等を総合的に算出し、代表となる一品を選出。以下の12アイテムが受賞した。

【Panthella Portable(Louis Poulsen)】

技術革新により、名作と呼ばれる照明機器が近年充電式にアップデートされている。北欧デザインの代表格であるルイスポールセン社の本製品も、充電式となって2022年に再リリースされた。特徴的なフォルムと携帯性が支持され、癒しの空間づくりに用いられた。

【DRY HEAT 2in1ふとん乾燥機能付 人感センサーセラミックヒーター ドライヒート_CH-T2137(THREEUP)】

ふとん乾燥機は、SNSで度々話題となるジャンルだが、今年はさらに睡眠の質への関心が上昇。本製品は日中は暖房、夜はふとん乾燥機として活躍するアイテムで、常に目に入る場所に置けることを意識したインテリア性の高いふとん乾燥機として支持されている。

【みずのうつわ(硝子屋 PRATO PINO)】

癒しの空間に有機的な潤いを与えてくれる植物の良さを気軽に取り入れられる一輪挿。大きな水のしずくのように佇むデザインが新鮮な本製品は、何気ない草花すら魅力的に演出し、「RoomClip」ショッピングで上位の定番商品となっている。

【ワイドジャグボトルスタンド タワー(山崎実業)】

SNS上で話題に事欠かない「名もなき家事」。中でも水回りのタスクはネガティブに捉えられるケースが多い。マイボトルやスープジャーの普及が広がる反面、それらの洗い物の際に置き場所や水切れへの悩みは多い。本製品はこの悩みに応え、急速に導入が進んだ。

【ニーチェアエックス(ニーチェアエックス)】

自分時間を過ごす空間作りに欠かせないアイテムの1つとして、リラックス性の高いローチェアに視線が集まっている。中でもスペースが限られる日本の住まいで、可搬性に優れたタイプは人気を集めており、名品として認知される本製品はその1つとなった。

【New コアラマットレス(コアラ)】

睡眠の質向上に注目が集まった2022年、寝具自体のアップデートを行う生活者の投稿も多数見られた。「RoomClip」では前モデルから定番の本ブランドだが、2022年にモデルチェンジした本製品も引き続き注目され、リプレースの報告が相次いでいる。

【コードレス充電式ハンドブレンダー(クイジナート)】

多様化が続くキッチン家電のジャンルで、最近人気を集めているハンドブレンダー。中でも本製品はUSB充電で利用できる手軽さが評価され、キッチンに構築された充電ステーションにある機器の一つとして登場する様子に注目が始まっている。

【壁面収納Nポルダ(ニトリ)】

突っ張り型の収納はDIYトレンドを経て、現在は多くの生活者が気軽に導入できる普及的な商品として進化している。本シリーズは、効率的な収納に限らず、自分のお気に入りで構成された壁面ディスプレイを構築するなど多様なシーンで活用されている。

【アテネの朝 3ピースセット(iittala / イッタラ)】

ガラス製食器の老舗イッタラのアイテムである本製品は、「RoomClip」をはじめ多くのSNSで2022年に注目を集めた。吹きガラス独特の、光を閉じ込めたような艶と透明感は目に入る生活者にその名から連想されるようなゆとりの気持ちを生んでいる。

【CIRCULIGHT EZシリーズ スイングモデル(CIRCULIGHT)】

ニューノーマルの価値観が生活者に根付いた結果、空気の循環は部屋作りで重視される条件の1つとなった。本製品は、設置に制限がある場所でも、照明を取り付ける環境があればサーキュレーター機能も実現できるオールインワンの魅力に人気が集まった。

【Yチェア(カール・ハンセン&サン)】

Yチェアの通称で親しまれる、北欧デザイン界を代表するハンス・J・ウェグナーの作品。多様化した現代のインテリアシーンでも憧れのアイテムの1つであり、ジャパンディのトレンド浸透とともに、迎え入れる生活者がより多く見られた1年となった。

【bitlock MINI(bitlock)】

スマートロックは後付け型のほか、新築の際もドアのオプションとして導入されるケースが増加し、住まいの新たな設備としてアーリーアダプターからマジョリティーへ波及してる。中でも本製品は、「RoomClip」で2022年に多く閲覧されたブランドだった。