フューチャーショップ、オムニは依然導入拡大 顧客基盤を育てる機能・連携も続々

SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop(フューチャーショップ)」を提供するフューチャーショップは、アパレル・ファッション事業者が多く導入している。業界のトレンドやEC事業者のニーズを先取りした機能追加や外部連携に定評がある。

ファッションEC市場の動向について、安原貴之取締役は、「事業者によって明暗が分かれてきている。リアル回帰もあり、消費がリアルに流れていることも影響している。そんな中でも成長を継続しているのは、顧客基盤がしっかりしている企業だ」と説明する。

同社は実店舗とECサイトの顧客データを統合できるオムニチャネル対応SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop omni‐channel(フューチャーショップ・オムニチャネル)」を提供している。このソリューションがコロナ禍に入り、導入が加速したが、今でも導入が伸びているという。

「オムニチャネルはコロナ禍以降、一時は落ち着いた感もあったが、現在は引き合いがすごく伸びている。顧客データを統合することで、実店舗の顧客にもデジタルでコミュニケーションを取ることができる。オムニチャネルを活用し、コミュニケーションができているところが伸びている」(安原取締役)と話す。

<ライブコマースのオプションを提供>

コミュニケーションを活性化する一環として今年9月、「futureshop」で構築したECサイト上でライブコマースを実現するオプションサービス「Live cottage(ライブコテージ)」の提供を開始した。月額1万8000円から、ライブコマースを実施できるということもあり、導入企業は徐々に増えているという。

▲「Live cottage」の提供を開始

「手軽に始められるサービスなので、安易に取り組んでみて結果が出ないと挫折してしまう可能性がある。顧客基盤を持つ店舗さんと事例を作りながら、ノウハウも含めてサービスを提案し、店舗さんに導入を勧められるようにしたい」(同)と話す。

目先の売り上げではなく、顧客との関係性を深める手段としてライブコマースを活用し、自社のコミュニティー形成を目指すように提案していくという。

今年6月には、店舗スタッフのLINE接客を実現する「LINE STAFF START」と連携している。店舗スタッフのDXを具体的に考えている事業者に連携を勧めている。

▲「LINE STAFF START」と連携

<驚くべき顧客分析結果>

オムニチャネル施策として好評なのが、今年2月に提供した「店舗受取オプション」だ。ECサイトで注文し、実店舗での商品受け取り、いわゆる「BOPIS」を実現する同オプションは、導入企業が着実に増えている。

同じく今年2月に提供した「レポート・分析機能」も好評だ。コロナ禍に新規顧客が増えたことで顧客の来訪経路や購入パターンが変化しており、現状の顧客分析をしっかりと行い、対策を練りたい企業が増えている。

「ある店舗さんが『レポート・分析機能』を活用し、驚きの結果が出た。売り上げは伸びているが、どこかうまくいっていない感じを受けていた店舗が、顧客を分析したところ、驚くほどリピーターが減っていたのだ。広告を展開しているので新規顧客が増え、売り上げは伸びていたが、リピーターが減っていた。そのことで、粗利は下がっていた。ここが違和感の原因だった。顧客の現状をしっかりと理解したことで、次に打つ手を明確にすることができた」(同)と話す。

「楽天市場」のSKU対応が迫る中、「futureshop」もバリエーション(SKU)価格対応することを計画している。今後も業界のトレンドや消費者のニーズを先取りした機能提供に注力する考えだ。