オリックスなどが出資を検討  “日本企業連合”で東芝再建なるか?

経済安全保障と密接に関わる技術や事業をどう考えるか

 

 ”日本企業連合”で東芝を再建――。

 オリックスや中部電力などが東芝(島田太郎社長)への出資の検討を始めたことが明らかになった。出資を呼びかけたのは投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)。各社とも検討中であることは認めているが、実際に1社当たり数百億円から1千億円という出資に踏み切れるかどうかは不透明。

 アクティビスト(物言う株主)側に多額の手切れ金を渡す形となる東芝の非公開化への参画には「どうやって自社の株主の理解を得るか」(メガバンク筋)という難しい問題がつきまとうからだ。

 東芝は非上場化を含めた再編策を公募してきた。6月時点では投資家から10件の提案があり、7月、JIPと官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)の連合を含めた4陣営が2次入札に進んだ。

 原子力や防衛など、経済安全保障と密接に関わる技術や事業を持つ東芝の買収は、外為法に基づく審査の対象になる。外国勢は資金が豊富であるものの、外国資本だけでの買収は困難との見方が大勢を占める。

 JIPは中電のような公共性の高い企業に参加を促すことで、東芝の発電や水処理といったインフラ関連事業を下支えする狙いもあるとみられている。この点を東芝が評価する可能性は考えられる。

 だが、JICは水面下でJIPとの連携を解消してベインと組む方向で調整している模様。JICは資金力が豊富なベインをパートナーとする「日米連合」への組み換えに打って出ようとしているようだ。

 横尾敬介社長(1974年旧日本興業銀行)らJIC経営陣は「国策案件にぜひ貢献したい」と強い意欲を示しているという。海外勢にとっては、国内勢と組めば、改正外為法による国の審査をクリアしやすくなるメリットがあり、ベイン側もJICとの連合に前向きなようだ。

 ただ、東芝は透明性や公平性を重視する観点から、1次入札を通過した者同士が2次入札で組むことを禁じており、日米連合がすんなりと認められるかは不透明だ。

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