JFEの巻き返しはなるか? 2023年3月期見通しで日本製鉄との間に差

両社の明暗を分けた3つの要因

「日本製鉄さんと、業績見通しで大きな差がついているのは事実」と話すのは、JFEホールディングス社長の柿木厚司氏。

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 日本製鉄、JFEホールディングスという日本の鉄鋼大手1位、2位の両社は、2022年4―6月期段階で、23年3月期通期の業績見通しをそれぞれ発表した。

 純利益ベースで、日鉄は前年同期比6%マイナスの6000億円、JFEは前年同期比51%マイナスの1400億円という見通し。いずれも、為替の円安による原材料等の輸入価格の高騰を受けて、前年同期比で減益となっている。

 この円安に対してはJFEの柿木氏も「戸惑っており、先は読みきれない。輸出比率を高めるより、紐付き(販売先・納入先が決まっている取引)価格の改善を進めていく」と話す。

 ただ、市場も含め、それぞれ構造改革を進める2社の業績見通しに、これだけの差が付いていることへの戸惑いもあった。

 柿木氏自身は「要因は3点あると分析している」と話す。第1に海外の原料権益。日鉄は鉄鉱石、石炭の権益を使用量の2割分保有している。対するJFEは1割弱。自社で権益を保有していることで、足元のような市況高騰時に収益の差で表れている。

 第2に海外グループ会社の存在。日鉄はアメリカ、インド、ブラジルなどの事業会社が利益に貢献。対してJFEはインドのJSWに15%を出資するなどしているが、日鉄ほどは大きくない。

 第3に鉄鋼事業単独の利益差。ここでは「販売価格改善の差がないではない」と柿木氏。JFEも価格改善の努力を進めているが、日鉄に及んでいないのではないかという分析。

 さらに、日鉄は26年3月期までに国内の高炉を15基から10基に減らし、粗鋼生産量を2割減らすという固定費削減策を推進中。JFEも東日本製鉄所京浜地区の高炉を休止。この固定費削減がどの程度寄与するかが今後の鍵を握る。

 柿木氏は「販売価格の改善には、もう少しやり方があるのではないか」として、今後日鉄を追い上げるための策を講ずる考えだ。