リアルテックファンド、フルーツ代替肉のシンガポール発ベンチャーへ出資 新しい食文化の創出を支援

ユーグレナとリバネスの合弁企業であるリアルテックホールディングスはこのほど、運営するリアルテックグローバルファンドにおいて、ジャックフルーツを活用した植物性代替肉の開発を通して、サステナブルで健康的な料理の提供を目指すシンガポール発のフードテックベンチャー企業、Bali Grove Pte Ltd(KARANA/商標名)への出資を行った。日本の事業会社や研究機関との連携を促進し、新しい食文化の創出を支援する。

リアルテックホールディングスは、地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジー(リアルテック)の社会実装を目指して創設された、ユーグレナとリバネスの合弁企業。研究開発型スタートアップとして幾多の困難を乗り越えてきたユーグレナと、研究から技術の社会実装への包括的な支援を行うリバネスの知見を活かし、投資育成などの事業を行っている。

運営するリアルテックファンドは、地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジーを有するスタートアップ(リアルテックベンチャー)への投資育成を行うベンチャーキャピタルファンドで、国内外の政府・企業・自治体と密に連携し、技術の社会実装を最速・最大化させるためにフルハンズオンで支援を行っている。これまで200億円以上を運用し、国内外のスタートアップ70社以上に投資。 2021年には、ディープテック領域に投資するファンドとしては日本で初めてのインパクト投資ファンドを設立した。

2022年7月、リアルテックファンドは、シンガポールのフードテックベンチャー企業Bali Grove Pte Ltd(以下:KARANA/商標名)への出資を実施した。ジャックフルーツを活用した植物性代替肉の開発を通して、サステナブルで健康的な料理の提供を目指すKARANAは、独自の加工技術を用いて顧客の求める味・テクスチャー・栄養価・コスト・サステナビリティを実現する商品を開発。既にアメリカやシンガポールで販売を開始している。

世界における自然健康食品市場は2025年中には300B USDを超えると言われており、植物性代替肉の領域が20%に迫るCAGR(年平均成長率)で成長している。一方、既存の牛・豚・鶏製品に近い「肉っぽさ」を実現するための過度な添加物(保存料、甘味料、着色料、香料)の使用が大きな課題となっており、かねてから全てが植物から出来ている代替肉への期待が高まっている。

▲原料に活用しているスリランカのジャックフルーツ

牛肉に近い細胞形状を持つジャックフルーツは、大規模な農園が不要でどこにでも生える力を持ち、熱帯地域を中心に栽培され日常的に食べられている果実。食物繊維を多く含み、低脂質、コレステロールゼロと健康面でも優れているうえ、干ばつや害虫に強く、除草剤や農薬を必要としないという強靭さも兼ね揃えている。ジャックフルーツは世界中で約100万トン生産されているが、加工技術が進展していないため、その約6割が廃棄されている。ジャックフルーツの有効活用により、植樹によるCO2削減・廃棄物の削減・農家の収入増加など、環境・経済におけるインパクトを生み出すことができると期待されている。

KARANAは、ジャックフルーツが持つポテンシャルを最大限に活かし、独自の加工技術とレシピを用いて植物性代替肉のマーケットにチャレンジしている。添加物を極限まで減らしつつ、より良い栄養バランスを持ち、低コストでサステナブルなKARANAの製品は、既にアメリカ・シンガポール・香港を中心にアジア料理を展開するミシュランのトップシェフやレストランでの導入が開始されている。

▲KARANA社が開発する「GYOZA」

リアルテックホールディングスは、グループ会社であるグローカリンク・シンガポールが2020年に出資して以降、東南アジアを代表するフードテックベンチャーへの成長を支援し、信頼関係を築いてきた。今後も組合員を中心とした日本の事業会社や研究機関との連携を促進し、新しい食材を使ったより良い食文化の創出を支援していく考えを示した。