【厚生労働省】コロナ「第7波」が拡大 ”全数”把握の見直しを提言へ

第7波とされる新型コロナウイルス感染症の感染急拡大を受け、全ての感染者の情報を把握しなければならない現行の仕組みが、医療機関や保健所の業務を圧迫している。新型コロナは感染症法上、結核などと同等の厳格な対応が求められる「2類相当」に分類されていることから、この仕組みが必要という立て付けだ。

 そのため8月に入り、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志が全数把握の見直しを提言。日本医師会の松本吉郎会長と全国知事会の平井伸治会長も後藤茂之・前厚労相に直接面会し、「全数把握に代わる新たな仕組みに変更するよう即刻ご英断を」と要望した。

 厚労省はこうした要望への対応として、感染者の情報を管理する電子システム「ハーシス」で、医療機関や保健所が入力する項目のうち、ワクチン接種回数を不要とするなど一部簡素化した。しかし、全数把握そのものについて第7波のうちに見直すことは難しいようだ。

 日医幹部によると、例えば、インフルエンザの場合、定点観測によって各地域の流行状況を推定する科学的仕組みがあるが、「コロナに関してはそうした準備がとても追い付いていない」と明かし、「こんなに感染者数が多い中での全数把握というのは、考えていなかった」。

当面は感染者の発生予測などに必要だとして「今は全数把握にしがみつかないと、感染動向がさらに分からなくなる」と強調する。

 厚労省によると、全数把握の見直しは、2類相当という分類を変えなくても、省令改正により可能だという。しかし、同省幹部は「知事会や医師会の主張はそんな単純な話ではなく、緻密な議論が必要だ」と話し、あくまで慎重に検討していく姿勢だ。

 さらに、医療機関などの負担を軽減するため、重症化リスクのない感染者が自己検査や自主療養で済むよう、検査キットの配布や健康フォローアップセンターの設置など自治体が取り得る対策は他にもあると説明。「全数把握より、各県でフォローアップセンターの設置が進んでいないのが一番の課題だ」と指摘している。

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