【外務省】安倍晋三元首相の国葬控え、夏休み返上で準備に追われる

安倍晋三元首相の国葬を9月27日に控え、多くの外務省職員が夏休みを返上して準備に追われている。安倍氏は東西両陣営を問わず、各国首脳と深い関係を築いてきただけに、国葬には昨年の東京五輪を超える要人の参列が見込まれるからだ。

 政府が首相経験者の国葬を行うのは1967年の吉田茂元首相以来で、今回は6千人近くが参列すると見込まれている。吉田氏の国葬では約70カ国が弔問団を派遣したが、今回はその3倍弱となる「200カ国近くが要人らの出席を検討している」(外務省幹部)という。

 安倍氏は首相在任中、「地球を俯瞰する外交」を掲げ、米国のトランプ前大統領を始めとする先進7カ国(G7)首脳だけでなく、インドのモディ首相やトルコのエルドアン大統領ら多くの外国首脳と良好な関係を築いた。中国とも関係改善に努めており、習近平国家主席は安倍氏の死去に際し、日本側に弔意を示している。

 すでに国葬には、各国から首脳級が参列する意向が示され、日本で活発な弔問外交も展開される予定だ。安倍氏が特に重視していた台湾も弔問団を派遣する意向を打診しており、外務省はこれに反発する中国との調整も課題となっている。

 林芳正外相は急遽、省内に「故安倍晋三国葬儀準備事務局」を30人規模で立ち上げ、石月英雄アジア大洋州局参事官を事務局長に据えて、各国要人の受け入れ準備に乗り出した。これだけでなく、北米局や欧州局など、重要な要人の訪日が見込まれる原局関係者が、お盆休み返上で調整にあたっている。

 同省幹部からは「昨夏も東京五輪・パラリンピックの影響で夏休みを十分とれなかったのに……」と恨み節も漏れている。

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