【厚生労働省】新たな財源確保に向け「こども保険」の導入を模索

7月の参院選では、少子化対策も大きな争点となり、各党は出産育児一時金や児童手当の増額など、子育て支援強化でアピール合戦を展開した。自民党は来年4月の「こども家庭庁」発足を見据え、子ども関連予算を将来的に倍増する方針を表明。ただ、公約には具体的な財源確保策には触れられておらず、今後政府内で具体的な検討に進む見通しだ。

 厚生労働省は6月に公表した人口動態統計によると、2021年の出生数が前年から2万9231人減り、過去最少の81万1604人となったことが判明。少子化に歯止めがかからず対策は待ったなしだ。

 歳出削減も厳しい中、新たな財源確保の手段として、「こども保険」の導入を模索する動きが浮上。企業や国民が負担する社会保険料に一定額を上乗せして財源を確保する仕組みで、自民党内でもかつて導入を検討した経緯がある。ただ、給付と負担の関係が不明確で、企業の新たな負担となることもあり、具体化には至っていなかった。 

 こども保険に関し、厚労省のある幹部は「こども保険は子どもがいない人からも幅広く徴収することになる。直接恩恵を受けない人の理解を得られるかどうか」と疑問を投げかける。さらに「子育て支援拡充は子育てを終えた世代から『私たちの時はそんな支援策はなかった』ということで、意外と反発も多い」(同省OB)との声もある。

 内閣官房の幹部は「社会の担い手を増やすことは日本全体のためになることで対応は待ったなしだ」と強調。「こども保険は財源確保の有力な手段であり、しっかり検討すべき」と語る。

 岸田文雄首相が参院選直後の記者会見で少子化対策に言及しなかったこともあり、厚労省内では「そもそもどこまで首相が本気で取り組む考えがあるのか分からない」との見方も。財源確保に向けた議論では、首相の本気度が改めて問われることになりそうだ。

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