【インタビュー】Hamee、水島育大社長「新ジャンル開拓、3年で売上85%増へ」

スマホアクセサリーを製造・販売するHameeは今年6月、3カ年の中期経営計画を発表した。最終年度の2025年4月期には売上高を前期(2022年4月期)の1.85倍となる248億円にまで拡大する計画だ。中核事業であるスマホアクセサリーブランド「iFace(アイフェイス)」のシェアをさらに高めるだけではなく、化粧品やゲーミングモニターなど新しい商品領域で急成長を狙っている。水島育大社長に成長戦略を聞いた。

――「iFace」がここまで成長した要因は?

「iFace」はもともと韓国のスマホケースブランドだったが、当社がブランドを買い取り、日本向けに展開している。韓国のトレンドを生かしながらも、うまく日本向けに調整して展開できたことが大きかった。

主な顧客層である10代後半から20代前半の若年層に、製品の特徴やブランドメッセージをうまく言語化して伝えることに注力してきた。スマホケースでブランド認知を確立し、周辺のアクセサリーに「iFace」ブランドを横展開している。スマホの出荷台数はほぼ横ばいだが、まだ伸ばす余地はあると思っている。

――単品売りだけではなく、ストック型の販売モデルを模索しているが、その進捗は?

スマホケースのサブスクリプション(サブスク)を展開しようとして断念したことがある。単一のプロダクトでストック型のビジネスを作るのは難しい。現在は「iFace」製品を購入した顧客向けの保証登録を専用のスマホアプリに入れてもらい、アプリでつながり、継続的に製品のプロモーションなどを行っている。

ストック型のビジネスを目指す方向は変わっていない。プロダクトの幅を広げ、サブスクなどストック型のビジネス確立を目指している。

――今年1月に参入した化粧品事業もその狙いか?

化粧品は定期的に使っていただけるプロダクトなので、ストック型のビジネルを確立できるチャンスは大きい。化粧品市場自体はほぼ横ばいだが、輸入化粧品市場は伸びている。特に韓国コスメ市場は急拡大している。今後も市場成長を続けるだろう。

当社が提供を開始した「ByUR(バイユア)」は、韓国の大手化粧品メーカーも使用している工場で製造している韓国生まれのコスメブランドだ。若年層をターゲットにベースメイクやスキンケアのアイテムを展開していく。韓国コスメで若年層向けのベースメイクやスキンケアの領域では、かなり参入余地がある。

「iFace」で培った若年層向けのマーケティングノウハウや、韓国ブランドを日本向けにローカライズしていくノウハウを生かし、ブランドの認知を高めていく。

韓国コスメを日本で展開している競合企業はあるが、基本的には販売代理店任せで売る方だけに注力している。ブランディングやマーケティングまで自分たちのリソースできちんとやっている企業はほとんどない。

「iFace」で取引のあるロフトやプラザなど、有力な販売チャネルとの関係性もコスメの販路拡大に生かせる。

――コスメ販売の人材を集めたのか?

コスメティクス事業を立ち上げるために、2年前くらい前から準備している。化粧品業界でデジタルマーケティングを手掛けてきた人材を採用し、チームを作ってきた。化粧品のマーケティングはスマホアクセサリーと異なる点が多い。広告投資も手厚くやっていかないとなかなか伸ばせない。他の事業と比べると強気の計画(2027年4月期に売上高を92億円まで伸ばす計画)だと言われるが、スマホアクセサリーとは市場規模が違うので、充分狙えると思っている。

――ゲーミングモニターブランド「Pixio(ピクシオ)」の戦略は?

ゲーミングモニターブランド「Pixio」は、以前スマホケースブランドを譲り受けた米国企業とのコネクションから、独占販売代理店契約を締結することになった。

「Pixio」はECでの直販だけに販路を絞り、売り上げを伸ばしていく。中国のクオリティーの高い工場で製造しており、大手のブランドに比べて低価格でコストパフォーマンスの高い製品を提供できる。手厚いサポート体制もすでに構築されており、競争力がある。

今後、「iFace」で培ったサプライチェーンの改善ノウハウを生かすことで、コストをさらに抑え、利益率をより改善できる。

コロナ禍でPCゲームを始める人が増えている。eスポーツ市場が今後、拡大することを考えると、日本でのゲーミングモニターの伸びしろは大きい。

――商品カテゴリーを広げているが、各ブランドの顧客にクロスセルを促す考えはあるのか?

顧客間のシナジーを創出したいと考えているが、今はそれぞれのブランドの認知を上げていく段階だ。今期から社内にDXを推進する組織を作っており、顧客データを統合したり、整理したり、連携したりする仕組みを準備し始めている。すでに「iFace」と「ByUR」を同じECサイトで販売したりするなど、連携しやすい取り組みは行っている。

――海外向けに販売を強化する施策は?

北米を中心に海外販売を伸ばしていこうと思っている。昨年、電子楽器「オタマトーン」や、低反発玩具「スクイーズ」などの米国販売が好調だった。他の玩具の価格が高騰する中で割安感もあり、ECや量販店向けの卸売りで販売を伸ばすことができた。

新しく口座を開くことができた取引先もかなりある。やっと北米向けに突破口を開くことができた。今までは日本向けの商品を米国で売っていたが、米国向けの商品を作って売ることができるボリュームになってきた。海外もこれから、さらに伸ばしていきたい。