【インタビュー 】エアークローゼット 天沼聰CEO「ファッションサブスクで新規上場 22年6月期の売上高は33億円超に」

エアークローゼットは、定額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」を中心に、複数の事業を運営している。同社は7月29日、東京証券取引所グロース市場へ新規上場を果たした。「エアークローゼット」の強みや、今後の展望について、同社の創業者である天沼聰社長兼CEOに話を聞いた。

――ファッションサブスク「エアークローゼット」について聞きたい。

「エアークローゼット」は、スタイリストが顧客ごとにコーディネートした洋服を毎月届けるサービスだ。「着用シーン」や「好みのスタイル」「サイズ感」など、顧客がサイトで登録した情報をもとに、スタイリストが「パーソナルスタイリング」を行う。気に入ったアイテムは、買い取りもできる。

「エアークローゼット」では、お客さまが新しいファッションと出会えるようにする。コーディネートに悩む時間をなくすこともできる。そうした点が「エアークローゼット」の特徴であり強みの一つだ。

「エアークローゼット」というサービスの収益構造をみると、安定して発生する、月額会費と送料による売り上げが79.3%を占めている。安定した事業モデルで成長を続けている。

当社の事業の中核は「エアークローゼット」だが、提案型ファッションECサイトや、実店舗のファッションレンタルショップも運営している。ファッション以外の分野では、メーカー公認の月額制レンタルモールも手掛けている。

 

――直近の業績は?

2021年6月期の売上高は、前期比24.7%増の28億8700万円となった。2022年6月期の売上高は、前期比16.1%増の33億5200万円になると見込んでいる。

2022年3月末時点で、無料会員数は70万人、月額会員は3万2000人に到達した。半年以上契約を継続しているロイヤル顧客の率は50%以上となっており、長く続けてくださるお客さまが、積み上がりつづけている状態だ。

――赤字上場になるということだが、黒字化に向けての展望は?

会員数の増加による売り上げ規模の拡大を継続的に実現していっている。同時に、利益率の改善も継続している。一方で、「広告宣伝費への投資」や「洋服の購入や、それに伴う減価償却費・減損損失の発生」があるため、2022年6月期における営業利益は5100万円の赤字となる予定だ。

成長を止めるわけにはいかないので、先行投資は継続していく。今後は「エアークローゼット」の有料会員数の増加によって、黒字化すると見込んでいる。

上場を経て何かを大きく変えるわけではない。これまでと同じく、「人々のライフスタイルがより豊かになるよう、時間価値を向上させる事業を創る」ことを追求しながら、堅実な事業の成長を積み重ねていく。

上場により調達した資金は、「マーケティング施策」や「レンタル商材の購入」「人材採用」に投入していく。

――2021年6月期には黒字化を達成している。

当社の2021年6月期の黒字化達成は、「物流」基盤に大きな要因があった。当社では独自の物流プラットフォームの開発を推進してきた。創業以来、「物流専門チーム」が、現地で業務フローの改善・提案や企画を行い、アップデートを積み重ねてきた。

その結果が、コストカットにも大きく寄与している。今後も改善を続けていく。

コロナの影響でファッション市場全体が縮小した。今後はマーケットの回復が進んでいくだろう。そんな中、「ファッションサブスク」や「ファッションシェアリング」という事業モデルには、潜在的に高い成長余地があると考えている。