みずほ銀行が「メタバース」に参入へ プラットフォーム構築力が問われる日本

インターネット上で人々が現実世界と同様に様々に活動する巨大な仮想空間「メタバース」。日本でもこの分野への参入が相次いでいる。

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「メタバースには非常に大きな可能性がある。メタバース内で金融ビジネスを発展させていきたい」│。7月下旬、VR(仮想現実)イベント「バーチャルマーケット2022」に専用ブースを出展すると発表したみずほフィナンシャルグループ副社長の梅宮真氏はこう話す。

「みずほブース」は実際の銀行店舗をイメージしており、顧客のアバター(自分自身の分身であるデジタルキャラクター)が融資や資産運用について相談したり、経済・市場動向に関するセミナーを受講したりできるように工夫され、ATMも備えている。

 3メガバンクの中でいち早く参入を打ち出したのは、メタバースでも現実世界と同様にバーチャルアイテムを自由に売買するための決済サービスが不可欠となると見ているため。

 28年に世界で約8300億ドル弱(約112兆円)の市場に成長すると予想され、東京大学が今秋、中高生や社会人らを対象に仮想空間で先端技術を学べる「メタバース工学部」を設けると発表するなど、メタバースへの注目度は上がる。

 だが、課題も多い。メタバースでもプラットフォーム事業をメタなど米国勢に牛耳られてしまえば日本企業は単なるプレーヤーに過ぎなくなる。官民が協調して競争力のあるメタバース戦略を構築する必要がある。

 だが、現実にはKDDIやパナソニックなどが主導する「メタバース・ジャパン」や、SBIホールディングス社長の北尾吉孝氏が音頭を取る「日本デジタル空間経済連盟」、養老孟司・東大名誉教授が代表理事を務める「メタバース推進協議会」など複数の団体が乱立。

 日本になぜGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が生まれないのかというテーマは今でも日本に重くのしかかる。実際、メタバースを巡る国際競争のスケールは大規模化しているが、日本は個別に動きにとどまる。

 一部の仲間内で小さな経済圏をつくろうとしたりする動きに終始すれば、世界の潮流から取り残されるのは必至。日本の力を結集しメタバースという新たな巨大市場をどう攻略するか。