【株価はどう動く?】日経平均は2万8000円台を上に抜けるか、懸念材料はコロナ感染再拡大

ナスダックは「トリプルボトム」を形成

 前回、これまで世界の株式市場の上昇を牽引してきた米ナスダック市場が、2021年11月22日に1万6212ポイントを付け、今も下落、調整局面が続いていると指摘しました。

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 ナスダックの当面の安値は、2022年6月16日の1万565ポイントで、1万1000ポイント割れ近辺で底入れし、底値圏での揉み合いが続いてきたのです。7月下旬現在は「トリプルボトム」のような形になっており、上昇が始まっています。その要因の1つは下げ過ぎの反動高です。

 1万6212ポイントという高値から30数%下落しましたから、当面下げ過ぎの反動高相場が続くのではないかと見ています。どのくらいの水準まで戻るのかを予測するのは難しいですが、戻りが最も鈍い場合で6月2日の戻り高値、1万2320ポイント前後ではないかと見ています。

 つまり、この後戻っても1万3000ポイントだろうという動きです。7月、8月にはFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを予定しており、0.75%ずつ上げてくると見られています(FRBは7月の米連邦公開市場委員会=FOMCで0.75%の利上げを実施)。利上げ局面では、ナスダックに上場しているようなハイテク株は上昇しづらいのです。

 ナスダックは下げ過ぎの反動高で戻っても3分の1戻りくらい、つまり1万3000ポイント前後だということです。

 ニューヨークダウは22年1月5日に3万6952ドルで天井を付けた後、6月17日に瞬間3万ドル割れの2万9653ドルという安値がありましたが、この水準で「ダブルボトム」を形成して、こちらも下げ過ぎの反動高が始まっています。

 こちらの戻りも、おそらく3分の1戻り程度で、直近の戻り高値である6月1日の3万3272ドル近辺ではないかと見ています。

 7月、8月はFRBが利上げをするわけですが、ニューヨークダウ、ナスダックとも、ある程度金融引き締めを織り込むような形になると思います。ただ、下げ過ぎの反動高はあっても、新しい上昇相場が始まるわけではないという、「鈍い戻り相場」になるでしょう。

 また、FRBが金利を引き上げる中で、今後米国経済の状況は悪化してきます。すでに住宅着工件数が頭打ちになるといった現象が顕在化しているのです。

 金利を引き上げて数カ月が経過した9月になると、米国経済の指標で、悪い数字が出てくることになります。そうなると、戻り相場の後は実体経済が悪いということで、もう一度売り直されることになると見ています。そして10月くらいに二番底を入れることになるでしょう。

 統計的に、1年のうち2月と10月は株価が安値を付けることが多いというデータがあります。ですから年後半は10月が要注意です。そこで底値を入れると、年末までに再び戻り相場が訪れます。この戻り相場の後に、新しい上昇相場がやってくると見ています。

 米国の中間選挙は、経済の実体悪の中で行われることになります。「景気後退」という文字が米メディアに出ている中で行われる選挙ですから、バイデン政権にとっては非常に不利です。

 バイデン政権は、景気よりも物価を下げるインフレ対策に重点を置き、これに「成功しつつある」というメッセージで選挙戦を戦うことになるでしょう。

 米国民はインフレを抑えようとしている民主党政権を支持するか、不況を呼び込んだ民主党ではなく共和党を支持するかという選択になります。この選挙は今後の米国の政治、経済を左右する重要ポイントとなります。

 前述のようにナスダックはピークから3割下落、構成銘柄の中には高値から6割下落しているものもあります。例えば「ハイテクの女王」と呼ばれるキャシー・ウッド氏の「アーク・インベストメント・マネジメント」が運営する「アーク・イノベーションETF」(ARKK)は高値から6割下げています。

 ただ直近、ARKKも底入れして戻ってきています。ARKKにはテスラ、アマゾン、マイクロソフトといった銘柄を組み入れており20年、21年は非常に高パフォーマンスでした。

 しかし22年は振るわず、アークは売られて6割安を記録する事態にもなりました。ARKKにはピーク時、約200億ドルもの資金が集まっていましたが、足元では約90億ドルにまで減少しています。

 ところが5月、6月からは資金流出が止まり、6月には資金流入も始まったのです。つまり、米国の投資家の中にはハイテク株を「割安」、「買い場」だと判断する人が増えたということです。この戻り相場が7月、8月にやってきた後に二番底を形成するという見通しです。

 この米国の動きに連動して日本の株式も上がることになります。ただ、あくまでも下げ過ぎの反動高だと見ています。日経平均も、戻り相場があった後に二番底を確認しにくることが予想されますが7月、8月には株価が戻るのではないでしょうか。

 さて、日経平均の直近の戻り高値は6月9日の2万8389円ですが、ここが「壁」になっています。ここを突破してくると3万円の大台を目指す動きになります。

 7月20日の日経平均の日足を見ると、上に「窓を開けて」います。株価上昇のシグナル(予兆)と言えます。この後、9月上旬にも岸田文雄首相が内閣改造を行うと報じられています。それと同時に、経済政策も発表することになるでしょう。そこで日経平均は戻り高値を付けることになると予測しています。

 この時の高値の水準が2万8000円台なのか、2万9000円台なのかが、今後の相場を見極める上で一つのポイントになります。

 前回も指摘したように、円安も日本にとってプラスですが、懸念材料はコロナ感染の再拡大です。これは7月、8月の戻り相場のネックになります。重症者が少ないことなどから、行動制限がかからなければ経済活動に支障は出ません。諸外国は経済を重視して、行動制限をしていませんから、日本もそれに倣うことができるかが問われます。