【財務省】参院選の余波で与野党から歳出拡大圧力増す

参院選では物価高が続く中で野党各党が相次いで消費税率の引き下げや廃止を訴えたことで岸田文雄政権は防戦を強いられたが、その余波は選挙後も続きそうだ。自民党内には選挙前から50兆円規模の経済対策を要請する動きが出ており、野党だけでなく自民、公明の与党からも歳出拡大を求める声が強まるのは必至だ。

 参院選に勝利すれば岸田首相は大型国政選挙をやらなくてもいい「黄金の3年」を手に入れるといわれるが、今秋に予定される臨時国会や年末の2022年度予算編成で財政を巡る権力闘争が激しさを増せば、岸田首相の政権運営はむしろ厳しくなる可能性がある。

 鈴木俊一財務相は選挙戦中の7月5日の記者会見で、消費税減税を巡る与野党論戦に関し「有権者の中には財政健全化に関心を持つ人もいる」と指摘。「財政は国の信頼の礎だ。次世代の未来につなげる意味でも財政健全化の必要性を財務省としてしっかり国民に訴えていきたい」と強調した。

 選挙前、事実上、岸田首相と安倍晋三元首相がトップを務める財政に関する自民内の2つの会合が対立し、参院選を踏まえ「一時休戦」(幹部)した経緯がある。

 自民内の積極財政派などからは「首相は財務省のいいなりだ」(中堅)との批判がつきまとう上、連立を組む公明側からもすでにウクライナ侵攻の長期化に伴う物価高を受けて「大型の経済対策は不可避だ」との声が強まっている。

 首相は「財務省の傀儡政権」(同)と揶揄されながら、その実態は歳出改革とは程遠い経済財政運営が続くという不本意な状況を強いられるかもしれない。

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