【大胆な働き方改革】NTT新社長の島田氏が“原則・在宅勤務”を表明

「社員にとって働き方の選択が自分でもできるようになるのは、大きな前進だろう」

 6月24日付で社長に就任したNTTの島田明氏は、テレワークを基本とする「リモートスタンダード」制度についてこう語った。

 同制度は7月1日から実施し、当初は主要会社の従業員の約半分となる3万人程度を対象とする。対象者は会社への通勤圏に居住する必要がない。出社が必要な際は”出張”扱いとなり、飛行機を利用する場合でも交通費として認める。NTTはこうした取り組みによって、転勤や単身赴任を伴わない働き方を拡大し、優秀な人材の確保につなげる考えだ。

 ただ、こうした働き方には不安がついて回ることも事実。6月24日の株主総会では株主から「若年層は会社の事を覚えたり社内の人間関係をつくったりすることも必要だ。在宅勤務が主となると、NTTが醸成してきた一体感が喪失する懸念がある」との指摘が出た。

 執行役員総務部門長(現NTT東日本副社長)の北村亮太氏は「リモートワークだけをするわけではなく、職場での仕事とのハイブリッドでやっていく」として理解を求めたが、オンラインと対面のバランスが問われ続ける。

 一方、通信設備の保守点検のように現場に出なければ仕事がしにくい人や、地方勤務者にどうテレワークを普及させるかも課題だ。NTTは従来、設備点検業務の自動化により23年度には現地業務稼働を半減するとの目標を掲げていた。AI(人工知能)による画像解析の活用などで実現を図るが、思うように進展しなかった場合はテレワークをしたくてもできない作業員が多くなってしまう。

 また、地方は「都市部よりもデジタル化が遅れており、企業間のやりとりにも対面が根強く残っている」(業界関係者)。実際、NTT傘下の主要事業会社からも「本社はテレワークできる人が多いが、地方はまだまだ」との声が漏れる。

 こうした”格差”を解決し、強固な組織を作っていけるのか。新社長の島田氏の指導力が早速試されそうだ。

≪終身雇用・年功序列に終止符≫ なぜ、日立は『ジョブ型雇用』を導入するのか?