【値上げの夏】食料価格の値上げが続く中、イオンがPB価格を据え置き

様々な商品の値上げが相次ぐ中、イオンが6月末までとしていたPB(プライベートブランド=自主企画)商品の価格維持を継続する。ただ、マヨネーズやノンフライ麺、ティッシュペーパーの3品目だけは値上げに踏み切り、これまで企業努力で価格を維持してきたイオンでも、世界的な食料価格や物流コストの高騰、円安といった外部要因には勝てなかったようだ。

 同社は昨年9月以降、食料品や日用品など、5千品目の価格を維持してきた。製造委託先に発注した量は全量買い取りにしたり、直接商品を引き取ることで流通の中間コストを削減したりするなどの企業努力を続けることで価格維持につなげてきたから。今後も同社はグループの規模を最大限に活かすことで価格を維持したい考えだ。

「お客さまのくらしを守ることを最優先に考え、引き続き企業努力により、大半の商品の価格維持に努めていく」(同社)

 最近はあらゆる分野での値上げが続いている。企業の賃上げもままならない状況での値上げだけに、消費者の節約志向はさらに高まることが予想される。

日本の食料自給率は37%と、食料供給の多くを海外に依存。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の山下一仁氏は「食料品や石油など、あらゆる資源を海外に依存していることのツケは、有事の際こそ効いてくる」と指摘する。

 これまで日本では、食品メーカーが値上げを表明しても、小売業界が値上げによる顧客離れを懸念して、売り場まで値上げが浸透してこなかった。そのため、高品質で低価格をウリにしてきたPBの販売が増加してきたわけだが、ここへきてイオンも値上げに踏み切った。今までは薄利多売で我慢するだけの余裕があったが、今は背に腹は代えられないというところまで追い込まれている。

 いずれにしても、スタグフレーション(不況下の物価高)が進む中で、日本の家計にとっては厳しい夏になりそうだ。

日本の食料安全保障はどうなる? 答える人 キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹 山下一仁