【財務省】参院選で物価高が争点に 与党勝利でも強まる歳出圧力

参院選では物価高が最大の争点になっている。野党は政府の物価高対策を「無策」などと批判するのに対し、自民、公明の与党は「日本は早くから手を打ってきた。主要国と比べて物価上昇率は低い」(岸田文雄首相)と防戦を張るが、光熱費や大半の日用品が値上げされ、家計を直撃する中で与党の主張がどこまで支持されるかが焦点。与党が勝利しても、選挙後に追加対策を求める声があがるのは必至で、歳出圧力は強まる一方だ。

 公示日前日の6月21日の閣議後会見で、物価高への政府対応に関し、鈴木俊一財務相は「主に原因は世界的な原材料価格の高騰を背景にしたものだ」と述べ、ウクライナ侵攻の影響だとの認識を重ねて示した上で、「当初予算や補正予算を含む総合緊急対策をしっかりと実行に移すことだ」と強調。ただ、具体策については「まだ初回なので」と述べるだけだった。

 鈴木氏のいう「初回」とは、この日開かれた政府の「物価・賃金・生活総合対策本部」の初会合を指すが、この対策本部は「政府が物価高対策をアピールするための装置にすぎない」(自民)などと揶揄されるなど、「驚くほど中身がない」(財務省幹部)といわれる。

 為替市場での円安進行に対しても鈴木氏は「政府としては、為替相場の急速な変動は望ましくないと再々申し上げている。急速な円安の進行を憂慮している」と繰り返す。「大臣は勉強熱心」(財務省大臣官房)といわれるが、”勉強”とは官僚の用意した応答要領を読み上げるだけではないだろう。

 参院選は序盤から与党優勢が伝えられ、永田町ではすでに選挙後の内閣改造・自民役員人事に関心が移りつつある。首相を支える麻生太郎副総裁に近い鈴木氏だが、今後、財政・金融両面で政策転換を余儀なくされる可能性が高まっている日本経済のかじ取りを任せるには力不足という声も出ている。

 歳出改革も手つかずのまま財政規律がさらに緩めば、財政当局のトップとしての責任が問われそうだ。

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