【外務省】韓国の新政権発足で日韓関係の改善に期待の声

韓国で保守系の尹錫悦大統領が誕生したことを受け、日本の外務省でも日韓関係の改善を急ぐ動きが顕著になってきた。林芳正外相は尹氏が就任前に派遣した韓国側調査団と岸田文雄首相の面会をセッティングしただけでなく、日韓外務省の課長クラスが水面下で協議する場も準備した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて「日米対中露」の対決構図も強まる中、戦後最悪ともいわれた関係の改善に舵を切る。

 6月2日には、外務省の船越健裕アジア大洋州局長がソウルに乗り込み、韓国外務省の李相烈アジア太平洋局長と会談した。直前には韓国側が竹島周辺の日本のEEZ(排他的経済水域)領域内で海洋調査をしていたことが明らかになり、船越氏は激しく抗議。一方で「関係改善に向け、外交当局間で話を続けることは大事だ」とも語りかけ対話を続けるよう説いた。

 8日には、外務省の森健良事務次官がソウルで韓国の趙賢東外務第1次官と会談し、元徴用工訴訟や元慰安婦問題といった懸案を早期に解決することを申し合わせた。

 日本の外務省には、前任の文在寅政権時代に慰安婦問題に関する日韓合意を一方的に破棄されたり、徴用工訴訟で日本企業の資産差し押さえ判決を放置されたりした経験から、これまでは「一切こちら側から手を差し伸べる必要はない」(局長級幹部)と冷めた姿勢が目立っていた。

 しかし、韓国の政権交代を受け、自民党でもハト派に属する岸田文雄首相と岸田派幹部の林外相のコンビが「雪解けに向け、対話を可能な限り再開しろと指示を出した」(同)。

 目下の目標は、韓国外相の早期訪日と日韓首脳会談の再開だ。自民党の保守系議員には「改善は時期尚早」(党外交部会幹部)という声が強いが、同省では韓国を直接訪れる職員も少しずつ増えている。別の同省幹部は「年内には腰を据えて首脳会談ができる環境を整えたい」とも話している。

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