【農林水産省】サーモンの生産拡大がカギ 国産魚介類の消費喚起へ

政府が閣議決定した21年度の水産白書は、国産魚介類の消費減少に歯止めがかからない状況に危機感を露わにした内容となった。

 新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ危機を受け、食料安全保障の強化は待ったなしの状況。生産体制の強化と消費喚起を一体的に進めるためにも、人気が高いサーモンの国産化など「消費者ニーズを踏まえた施策展開」の必要性を説いた。

 白書によると、1人当たりの魚介類消費量は01年度の40・2㌔をピークに減少に陥り、20年度は4割減の23・4㌔にとどまった。魚介類は価格が高いことや調理に手間がかかることが理由。その半面、肉の消費量は増加傾向にあり、11年度から魚介類を上回る状態が続くなど、日本人の食生活の欧風化がより進んだことがうかがえる。

 魚介類を食べる機会が減っていることは間違いないが、内訳を見ると、興味深い特徴が明らかになった。輸入品の消費量は10年以上横ばいで推移しており、右肩下がりが続く国産品のような落ち込みは見られない。サーモンやマグロなど人気が高い魚は輸入に頼っていることが背景にある。

 白書は、以前はイカやエビが消費の上位を占めていたが、近年はサーモンやマグロが台頭している状況を紹介。特にサーモンについては「平成期にノルウェーやチリの生食用の国内流通量が大幅に増加した」ことが消費拡大につながっていると指摘した。

 ロシアによるウクライナ侵攻など紛争により、食料安全保障の強化が待ったなしの状況を踏まえ、政府はサーモンなどの養殖を推進し、食用魚介類の国産化に取り組む考えだ。

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