『INPEX』が出光などと秋田で地熱発電所の建設へ

INPEX(上田隆之社長)が、出光興産、三井石油開発と3社で地熱発電所の建設に乗り出す。出力規模は最大1万4990㌔㍗。2027年3月の運転開始を計画しており、INPEX首脳は「当社のコアビジネスである石油・天然ガス上流事業は地熱との親和性がものすごく高い。地熱開発はこれまで石油・天然ガス開発で培った技術を応用できる」と話している。

 すでに3社は2018年に秋田県湯沢市で地熱発電所の建設に向けた共同出資会社を設立。出光とINPEXが42・5%ずつ、三井石油開発が15%を出資している。3社は各社の技術や知見を持ち寄り、事業化の検討を進めてきた。発電した電気は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT制度)の認定を受け、1㌔㍗時あたり40円で15年間に渡って電力会社へ売電する予定だ。

 かねてから、地熱発電は天候に左右されず、安定的な電力供給が可能な再エネとして期待が高まっている。地下の地熱エネルギーを使うため、化石燃料のように枯渇の心配が無く、長期間の供給が期待される所以だ。

 ただ、地熱の性質上、立地場所が国立公園や温泉などが多く、地元関係者との調整が必要なこともあって、ほとんど普及は進んでいない。2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、再エネの割合は増加しているが、地熱の割合は0・2%のままでほぼ横ばいだ。

 なかなか地熱の普及が進まない理由について、某商社首脳は「地熱発電は可能性があるが、最終的には蒸気として取り出さないといけないので、蒸気の圧力や温度を考えたら火力発電のレベルにはほど遠い。東京電力や九州電力が地熱発電を手掛けているが、設備投資あたりの発電量を考えると、そんなに効率の良いものではない」と語る。

 開発にかかるコストや地元関係者との調整、そして、何より掘ってみないと発電設備を設置できるか分からないことなど、地熱の普及が進まない理由は多々ある。それでも無資源国・日本にとって、INPEXなどの企業が自らの得意技を持ちより、新たな再エネ開発に取り組むことには大きな意義がある。

なぜ今、丸紅は「中東・造水プロジェクト」に取り組むのか