「Shopify」、BtoB参入など100以上の新機能発表 太原カントリー・マネージャーに要点を聞いた

Shopifyは6月23日、年2回行うグローバルプロダクトリリース「Editions Summer 2022」の一環として、コマースの未来予測と、日本に向けた大規模のプラットフォームアップデートを発表した。100種類以上の新プロダクトや機能アップデートを発表する中で、BtoB市場への参入や、NFTビジネスの可能性を広げる「トークンゲートコマース」、フルカスタマイズを実現する「Hydrogen/Oxygen」を提供することを明らかにした。

「Editions Summer 2022」のテーマは「Connect to Consumer」。直接的な取引だけでなく、ブランド、企業、開発者が消費者とつながり、長期的な関係やロイヤリティの高いコミュニティを構築するためのさまざまな新しい可能性が存在しているという。新しいコマースの時代を勝ち抜くのは、「コネクター=つながりを高める者」だと指摘する。

Shopifyの創設者兼CEOであるトビアス・リュトケ氏は、「Shopifyは、今日の事業者が直面する複雑な課題を解決するとともに、事業者がビジネスを成長させるための全く新しい仕組みを常に考え続けています。『Shopify Editions』では、自分でビジネスを始めようとする意欲的な人々が、これまで以上に早くビジネスを始め、そして成長できるように、最大の挑戦と最新のビジネス・イノベーションを共有します」と述べている。

<太原カントリー・マネージャーが解説、ますはBtoB機能>

日本の多くの事業者にとって影響のある新プロダクトについて、Shopify Japanの日本カントリー・マネージャーである太原真氏に解説してもらった。

▲日本カントリー・マネージャー 太原真氏

初めに紹介したのが、BtoB機能だ。「Shopify」でBtoCのECサイトを構築しているブランドなどが、同じ「Shopify」のプラットフォームを活用し、法人に対して卸売りをできるようにする機能だという。

「Shopifyマーチャントの要請に応じて機能を開発している。D2Cブランドが『Shopify』でECサイトを開設し、次にオフラインも展開したいというニーズがあり、POSシステムを開発した。次の要望としてBtoB機能が持ち上がった。アメリカなどで『Shopify』を活用しているデジタルネーティブなD2Cブランドが成長し、卸売りを求められる規模になってきている。『Shopify』のバックエンドを生かして、どう卸売りができるのか、その声に応えた新機能だ」(太原氏)と話す。

新機能では、「Shopify」のバックエンドで小売りと卸売りを統合管理できるようになる。今後、パートナーによるBtoB向けアプリの開発も進みそうだ。

「既存のBtoB‐ECのプラットフォームをひっくり返すというよりは、現在、『Shopify』でECを運営していて、BtoBは別の仕組みで運営しているという事業者を取り込むのが狙い」(同)と話す。

<NFTの可能性広げる「トークンゲートコマース」>

2つ目に紹介するのは、NFTビジネスの可能性を広げる「トークンゲートコマース」だ。NFT保有者に限定商品や特典、体験へのアクセスを可能にする機能であり、ブランドと顧客のつながりを深め、ファンやVIPに見返りを与える革新的な方法だという。

「トークンを付与した人に、限定で商品を購入できるようにしたり、優先的に商品を購入できるようにしたりできるようにする。トークンによって権利を付与することは、ブロックチェーンだと簡単にできることだが、それを自分でやろうとするとブロックチェーンをいじらないといけない。そこにはブロックチェーンへの知見や技術が必要になる。『Shopify』が基本機能として『トークンゲートコマース』を提供することで、だれでも簡単に実現できる」(同)と話す。

「Shopify」のプラットフォームを活用しているマーチャント同士であれば、「トークンゲートコマース」を連携でき、コラボ先のECサイトで特典を活用するといった体験も提供できるようだ。

<フルカスタマイズを可能にする「Hydrogen/Oxygen」>

3つ目に紹介するのは、フルカスタマイズを可能にする開発ツール「Hydrogen/Oxygen」だ。「Shopify」はノーコードでECサイトを構築できる『簡易性』が特徴だが、「Hydrogen/Oxygen」はその逆にある「複雑性」を実現するための開発ツールだという。

「『Hydrogen/Oxygen』の一番のユースケースはヘッドレスコマースだろう。バックエンドとフロントエンドを切り離し、多様な販売チャネルや販売形態に対応するため、自由にカスタムしたフロントエンドを構築することができる。SNSやポップアップなど必要とされるフロントエンドの形は多様化している。今後、その形態がどう進化するかは分からない。ただ、『Hydrogen/Oxygen』を活用し、ヘッドレスコマースを実現することで、新しい販売チャネルや形態にすぐに対応しやすくなる」(同)と話す。

他にもGoogleのローカル在庫広告との同期機能を発表した。事業者が近隣に住む顧客に対して商品の入荷情報を自動的に通知できる。購入可能な在庫情報をGoogleの検索結果に表示できることで販売機会が高まる。実店舗で購入できる商品をエリアごとに紹介することも可能だという。

「Editions Summer 2022 」では、100種類以上のプロダクトが紹介されており、その中には「Shopify」が最近行った、新規顧客の開拓、顧客との対話をコンバージョンに変える、コマースの簡素化を目的としたアップデートが含まれている。