台湾最大のスーパーチェーン「PXマート」、OMOデジタル戦略を始動 Appierのソリューションを活用

台湾最大のスーパーマーケットチェーンPXマート(全聯福利中心)はこのほど、OMO(オンラインとオフラインの融合)デジタル戦略強化のため、Appierのエンタープライズソリューションをフルファネルで導入した。コミュニケーションの自動化と会話型マーケティングの導入による顧客体験の改善、クロスチャネルのデータ一元化による顧客への的確な対応と消費者需要の深掘りの実現などにより、デジタルトランスフォーメーションの強固な基盤を構築する。

1000店舗以上を展開する台湾の大手小売チェーンのPXマートは、人工知能(AI)を使ってビジネスの意思決定をサポートするSaaS企業Appierのエンタープライズソリューションをフルファネルで活用したOMOデジタル戦略を始動した。Appierのソリューションは、PXマートのデジタル戦略全般を強化し、業務効率の最適化に貢献する。

これによりAppierは、オフライン取引データの一元化によるデジタル戦略の強化、オートタグを使用した顧客プロファイルの充実、「マルチチャネル」マーケティングオートメーションのプッシュ通知対応、個別最適化したページやおすすめ商品のカスタマイズ、会話型マーケティングによる顧客エンゲージメント強化、会員の潜在的な行動を予測するための利用シーン分析の6つのアプローチにより、PXマートのデジタルトランスフォーメーションの中長期的な目標達成を支援する。

オフライン取引データの一元化では、PXマートの保有する膨大な量のオフライン取引データを購入商品の種類、ブランド名、アイテム、数量、購入店舗、購入方法、金額、日付、あらゆる獲得会員ポイント、ポイント交換時期などの顧客情報や、最近の購買行動の分析を通じて、すぐに使える構造化データやタグに変換。デジタル戦略に統合することで、より的確に顧客の需要に対応可能にする。

オートタグを使用した顧客プロファイルの充実では、PXマートの公式サイト、「PXペイ」(モバイル決済)、「PXGo!」(ECプラットフォーム)、オンラインショッピングの情報にアクセスできる「データミドルプラットフォーム」を活用。Appierのカスタマーデータサイエンスプラットフォーム「AIXON」(アイソン)が、これらのサイトやアプリ内のデータを全て統合し、類似性の高いユーザー同士を比較することで、顧客プロファイルや行動情報などのタグを充実させた。「AIXON」は、AIや機械学習によって生成されたユーザーとの親和性を応用することで、個別最適化されたメッセージを作成する。

これによりPXマートは、自社サイト、「PX Pay」「PXGo!」、POSのオフラインデータなど、複数あるプラットフォーム上のデータを一元化。ユーザープロファイルを充実させることで、ビジネスチャンスを広げている。

「AIQUA」 AIパーソナライゼーションクラウドは、サイトやアプリでプッシュ通知を自動配信し、「LINE」や「Meta Messenger」などのインスタントコミュニケーションソフトからの配信にも対応している。このワンストップサービスにより、マーケティング担当者は、顧客の興味、RFMデータ、ロイヤリティ、商品など、異なるセグメントでチャネルの嗜好に応じた「マルチチャネル」でのマーケティングオートメーションを実現できる。

個別最適化したページやおすすめ商品のカスタマイズでは、ユーザーが検索・閲覧した商品説明や画像、マウスの動きなどを解析できる「AIQUA」のディープラーニング技術を活用。AIモデルは関連する属性を分析し、さらに個別最適化したページとおすすめ商品をユーザーごとにカスタマイズして表示させることができる。オンラインユーザーの購入体験とクロスセリング能力を向上させ、潜在的なビジネス機会を創出することで商品価値を最大化する。

会話型マーケティングによる顧客エンゲージメントの強化では、企業とユーザーのコミュニケーションに欠かせないチャネルであり、貴重なファーストパーティデータ(自社サイトや店舗などで収集されたデータ等)を取得する情報源にもなっているインスタントメッセージを活用。PXマートは、Appierの「BotBonnie」(会話型マーケティングプラットフォーム)を採用し、AIパーソナライゼーションクラウド「AIQUA」と組み合わせることで、オンライン上の顧客エンゲージメント力を高め、ユーザーのクロスチャネル行動を特定していくことで、顧客に寄り添ったフルファネルマーケティングを実現した。

コミュニケーションの自動化と会話型マーケティングの導入によりPXマートは、パーソナライズ(個別最適化)された顧客体験の提供が可能となり、マーケティングキャンペーンの結果を最適化できた。Appierのエンタープライズソリューションをフルファネルで活用することで、昨今の市場の不確実性に柔軟に対応し、データ資産を拡大させることで顧客のニーズを的確に発掘・把握している。

PXマートは、企業ブランドの長期的な競争力を盤石にするためデータが重要であるとの考えから、この2年にわたり店舗売上の顧客行動データ、取引、現場データ、アプリ内ユーザー行動などの行動データを統合する「データミドルプラットフォーム」の構築を積極的に手がけてきた。PXマートの会員数は「PX Pay」の会員800万人と合わせて現在約1700万人と、台湾人口の70%以上にあたり、台湾の世帯購買データの90%近くを有することを意味している。

Appierは、同社のソリューションを導入する利点の1つは、企業がアクションをその場で起こすことができる点としており、PXマートのデータベースが充実した段階で会員の「ユーザーシナリオ」を分析。ユーザーの潜在的な行動を予測することで、適切なマーケティングプロモーションの実施を可能にした。例えば、パンデミック下での自炊に対するトレンドへの対応として、ディープラーニングで会員や商品タグを解析し、関連性のある精度の高いレシピの提案、生鮮食品の販売促進などが挙げられる。また、PXマートでは、会員の利用額に応じたポイントを付与することで、購買意欲を高め、会員ロイヤリティを向上している。

PXマートは、デジタルトランスフォーメーションの次の取り組みとして、「PX Pay」会員やLINE公式アカウントのフォロワーなどのデータを連携させ、そのデータ分析からより効果的なブランドマーケティング戦略を展開予定としている。また、個人が特定されないブライバシー重視の「非識別化」データを活用することで、サプライヤーが販売やクロスセリングの機会を増やすことを支援し、川上と川下のベンダーをつないぎ、仕入・販売・在庫管理および、チャネル流通の改善に着手していく。

PXマートのマーケティングディレクター、ジェームズ・リュー氏は、「PXマートは膨大な会員データを保有していますが、その一方で、消費者とのコミュニケーションをタイムリーかつ効果的に行うため、常により良い方法を模索する必要があります。Appierのこの業界における実績と定評あるAIの技術力によって、我々のデータにAppierのAIを実装させることで、消費者に関する新しい視点と洞察を得ることができています。PXマートは、これからも一歩先を行くブランドマーケティングを実現して参ります 」と述べた。

AppierのCEO兼共同創業者のチハン・ユー氏は、Appierが顧客企業の価値創造に専念しており、PXマートのデジタルトランスフォーメーションのパートナーに選ばれ、デジタル戦略の強化と業務効率の向上を支援することは非常に光栄であるとし、「Appierのデータを活用したソリューションとAIから得られる分析や洞察が、PXマートの小売業における柔軟性と優位性を強化し、市場の変化に対応するため、マーケティングオートメーションと経営判断を支えているという自負があります」と述べた。