【厚生労働省】マイナンバーカード保険証 患者の負担増に批判殺到

マイナンバーカードを健康保険証として利用できる「マイナ保険証」に対応する病院で患者の窓口負担が増えることに批判が高まっている。対応医療機関を増やすため、診療報酬上の加算を引き上げたのが理由だが、マイナ保険証の加入者が伸び悩んでいるだけに厚生労働省の担当者は頭を悩ませている。

  マイナ保険証は昨年10月から本格的に運用が開始した。同省は窓口での手続き簡略化や効率的な診療をアピールしているが、利用できる医療機関や薬局は全体のわずか15%程度にとどまっている。

 医療機関が新型コロナウイルスの対応に追われたことや世界的な半導体不足の影響で読み取り機器の整備が間に合わなかったことが原因として挙げられるが、「利用者がどれだけいるかわからない中、様子見の施設も多かった」(担当者)ようだ。

 政府は今後の普及加速に向け、マイナカード所有者にポイントを付与する「マイナポイント」事業の第2弾を開始。厚労省も22年度診療報酬の中で、患者1人当たり初診時70円、再診時40円を加算する導入促進制度を創設し、4月から適用された。

 ただ、導入機関に受診する患者はマイナ保険証の有無にかかわらず負担増となることもあり、野党議員が国会審議で「早急に見直すべきだ」と厳しく追及。同省の担当幹部は「国民にはより良い医療を受けられるメリットがある」などと釈明に追われた。

 保険局幹部は「診療報酬の仕組み上、患者負担は生じるのはやむを得ない」と困惑を隠せない様子で、「今はとにかく導入機関を増やして、患者にメリットを理解してもらうよう地道に取り組むしかない」と訴える。

 政府は22年度末までに全機関での導入を目標に掲げているが、達成はかなり厳しい状況だ。それだけに他省庁からは「厚労省は自分のことしか考えていない」と冷ややかな声も出ている。

【ウクライナ危機】日本の食料安全保障はどうなる? 答える人 キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹 山下一仁