【外務省】国交回復50年の節目も 人権問題など対中政策に苦心

外務省が、対中国政策に神経をとがらせている。自民党内では、新疆ウイグル自治区や香港の人権問題などに絡め、欧米並みの厳しい態度を求める声が強いが、省内では林芳正外相を筆頭に、今年は日中国交回復50年の節目を迎えることや密接な経済関係などを踏まえ、是々非々の対応を求める意見の方が多い。

「われわれは主張すべきは毅然と主張し、責任ある行動を求める。同時に、共通の諸課題について協力していく。建設的かつ安定的な日中関係を構築していく必要がある」

 林氏は1月13日の講演で、中国には「協調」も重視しながら取り組む必要性を強調。林氏は省内の会議でも「米国と何もかも平仄を合わせる必要はない。対話できる環境を常に整えておくべきだ」と指示している。

 中国は地政学的な距離が欧米と違うことや、輸入で世界最大の相手国であることを踏まえ、「いたずらに対立をあおり、米中のような制裁合戦に発展すれば、一番被害を被るのは国内企業だ」(同省経済局幹部)という意見も強い。

 日本政府は、2月の北京冬季五輪で政府関係者ではなく、橋本聖子元五輪相らの派遣を決めたが、林氏はこの際、「外交的ボイコット」という言葉を使わなないよう、岸田文雄首相にアドバイスしたとされる。

 こうした姿勢に、自民内では「弱腰」と批判する向きもあるが、林氏は「敵基地攻撃能力の研究など、対中を意識した防衛力を着実に高めておけば、中国に一方的に足元をみられることもない」とも語る。7月の国交正常化50年の節目は参院選と重なるが、こうした姿勢がどう評価されるか。

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