『大隈重信の没後100年』早稲田大学が初のベンチャーキャピタル設立へ

「大学には様々な研究のシーズ(種)がある。価値のある研究を社会実装させることによって、社会に貢献し、日本社会をプラスに動かしていく。そういうスタートアップ企業を育てていくことが重要」と語るのは、早稲田大学総長の田中愛治氏。

 早稲田大学が4月からベンチャーキャピタルを設立する。1号ファンドは80~100億円規模を想定。同大学が強みとする情報科学・AI(人工知能)、ロボット、ナノ・テクノロジー(超微細技術)の3分野を中心に、幅広いベンチャー企業の育成を図る考えだ。

 設立するのは「早稲田大学ベンチャーズ株式会社(WUV)」。共同代表の一人でもある山本哲也氏は、三井物産の出身で、2008年から20年まで東京大学発のVCで投資実績がある。

「どのシーズを選ぶかという判断に大学の意向は与しない。外部の機関投資家のお金をお預かりして、増やしてお返ししなければならない使命があるので、自分の研究に出資していくださいというような利益相反になることはしない」(山本氏)

 大学発VCを巡っては、すでに東京大学や慶應義塾大学がVCを設立している。早稲田大学は後発組となるが、田中氏は「投資対象は早稲田の案件にはこだわらない。WUVが東大の若手の特許に投資することもあるし、日本のスタートアップ全体を支援したい」と語る。

 早稲田大学にとって、今年は創立者・大隈重信の没後100年にあたる節目の年。建学の精神の一つ『学問の活用』を図るためにも、スタートアップ企業の育成を行うことで、経済の活性化を狙う田中氏である。

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