【金融庁】米緩和縮小に伴うドル不足警戒 3メガの外貨調達リスク点検

金融庁と日銀が3メガバンクのドルなど外貨調達リスクの点検に乗り出している。インフレ圧力の高まりから米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小を前倒しし、2022年には利上げが見込まれるなど金融環境が激変する兆しがある。

 オミクロン株の台頭で新型コロナウイルス禍が再び深刻化する懸念も出る中、外貨資金繰りが逼迫した20年春の二の舞を避けるのが狙いだ。欧米の中央銀行とは対照的な日銀のマイナス金利政策の長期化で国内で儲けられない3メガは海外投融資の拡大に収益を求めてきたが、金融庁は「米国の金利上昇などにも耐えられるようにリスク管理の徹底を促す」(監督局幹部)方針で、対応を迫られる。

 3メガなど邦銀の外貨調達に関しては従来、日銀が考査などを通じてチェックしてきた。しかし、20年以降の世界的なコロナ禍拡大に伴う米欧中銀による前例のない大規模な量的緩和が手仕舞いに向かう転換点を迎えた今回は、ドル金利上昇など市場の急変リスクに対する警戒が必要な局面だ。このため、金融庁が主導してより広範に3メガの外貨調達リスクを点検することにした。21年度から始めた金融庁と日銀の連携強化の一環とも位置付けられている。

 具体的には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行を対象に、外貨調達計画や市場急変時の危機対応シナリオなどの妥当性を精査する方針だ。

 ある金融庁幹部は「いざとなれば政府も外貨準備を活用してドル供給策などを検討するかも知れないが、まずは3メガが自力で備えを強化することが肝要だ」と強調。リーマン後の欧米銀行の退潮を背景に海外ビジネスを広げてきた3メガの経営戦略は正念場に差し掛かりつつあるようだ。

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