【農林水産省】江藤元大臣が農林調査会長に  ”高市人事”が波紋呼ぶ

自民党は塩谷立・党農林・食料戦略調査会長の後任に江藤拓・元農林水産相を充てる人事を決めた。同調査会は政務調査会の一組織として党の農林政策を取り仕切る。会長職は農林族の最高ポストに相当。名称も総合農林政策調査会に変更した。江藤氏は畜産分野などに精通する有力農林族だが、高市早苗政調会長による人選方法が党内で波紋を呼んでいる。

 江藤氏は2003年に衆院議員(宮崎2区)に初当選し、現在7期目。農政通として有名な故江藤隆美氏を父に持ち、これまでに党農林部会長、農水副大臣、農水相など農林分野の要職を歴任してきた。

 江藤氏は将来的な会長候補として取りざたされていたが、衆目の一致する最有力候補は森山裕前国対委員長だった。森山氏も農水相を経験し農政に加え地方財政などに明るく、これまでも農業予算が枯渇した際に財務省と折衝するなど役所からも一目を置かれる存在だ。ある自民党農林族議員は「役所も議員も皆森山さんが調査会長になるものと思っていた」と驚きを隠さない。

 予想を裏切る人事を断行したのは高市氏とされる。江藤氏は高市氏が昨年9月の自民党総裁選に出馬した際の推薦人になるなど、同氏に極めて近い。ある関係者は「高市さんは塩谷さんにねぎらいの言葉もかけず、調整もなく江藤さんを一本釣りした。不信感を持つ人も多い」と明かした。

 調査会長の仕事は農林族の意見が割れた際に軟着陸を図ること。ただ、江藤氏は農政への思いが人一倍強いため「行司役が相撲を取っている。暴走気味だ」(関係者)との指摘も。まとめ役に徹することができるか江藤氏の手腕が問われている。

 自民党農政を担う幹部議員「農林インナー」の担い手も育っていない。コメ政策に強い理論派の宮腰光寛氏は議員を引退し、外相に就任した林芳正氏は参院から衆院に鞍替えしたのを機にインナーから外れたが、補充人事は行われていない。同党幹部は「重責を担える力量がある人材がいない」と嘆く。

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