【「au コマース&ライフ」八津川社長に聞く】上期流通総額は14%増 有料会員による購入UUの伸びが顕著に

au コマース&ライフが運営するECモール「au PAY マーケット」の流通総額が拡大している。2021年4-9月期(中間期)の流通総額は、前年同期比14%増で推移。前年同期の約80%増に続き、さらに上乗せする数値となっている。「au PAY マーケット」の現状と今後の見通しを、au コマース&ライフの八津川博史社長に聞いた。

au スマートパスプレミアム会員のUUは26%増

――2021年3月期の流通総額や出店者数は?

データは開示していない。ただ、2019年4月-2020年3月期の上半期の比較で見ると、前年同期比約80%増だった。2021年4―9月期は同14%増となっている。サービス開始から順調に流通総額が伸びており、その伸びに対して、さらに今期上半期で成長した形になっている。「au PAY マーケット」の成長としては、ポジティブに進捗していると手応えを感じている。出店者数は開示していないが、純増基調で推移している。コロナ禍でECに着手するところもあるが、手応えとしてはすでに何かしらのECを手掛けているところが、リアルやクロスボーダー、海外が計画に対して厳しいので、国内向けECをもっとやりたいという声が強い。その結果、すでに実施しているECに加えて、次のマーケットとして当社をご検討いただくようなお声掛けが強くなってきている。

「au PAY マーケット」流通総額の推移

――それは取扱商品によって、偏りなどの傾向は見られるのか?

どこかに偏ってということではなく、幅広く各ジャンルともにさらに伸ばしたいという店舗運営者の方が多く、いずれのカテゴリーも含めて当社への引き合いはコロナ以前の状況と比べると強めの手応えとなっている。やはりカテゴリーごとに、当社サービスの特徴をご理解し向き合っていただいている店舗さまが、しっかりした数字を出していると感じている。

――今期上半期を振り返って、「auPAYマーケット」におけるトピックスは?

「au スマートパスプレミアム会員」による購入ユニークユーザー(UU)の伸びが目立っている。月額料金をいただきながら、エンタメコンテンツの利用や「au PAY マーケット」では送料無料でお得に買い物ができる特典などをご提供している。結果として、「au PAY マーケット」で、au スマートパスプレミアム会員のお客さまがお買い上げいただいている購入UUが、上半期は前年同期比26%増となっている。「au PAY マーケット」のショッピングサイトとしての成長は、au スマートパスプレミアム会員のお客さまの購入によって結構ドライブされているのが見て取っていただけるかと思う。

交換所でアップしたポイントの利用を「au PAY マーケット」で

――今期下半期に計画していることは?

au経済圏の中では、まずau スマートパスアプリとかau PAYの決済アプリから、au PAY マーケットに入り込んで来る形になっている。

そして特徴的なのが「お得なポイント交換所」だ。これはお客さまがお持ちいただいているPonta(ポンタ)ポイント、つまりau経済圏で使っているポイントを、通常のPontaポイントを「au PAY マーケット」限定のポイントとして1.5倍、もしくはキャンペーンのときには2倍付けでポイントを交換していただき、「au PAY マーケット」の中でお買い物をしていただいている。ポイントがどんどん流通しているものを、当社サービスが出口の部分、ポイントをご利用いただく先として、au経済圏の中で非常に立ち位置を広めている状況になっている。これが「au PAY マーケット」の全体戦略の骨格となっている。

これの戦略骨格に乗った形で全体の継続的な成長のためにユニークブラウザーもしくは購入回数をしっかりと引き上げていく動きを取っており、それにも先ほど成長が著しいと説明したがau スマートパスプレミアム会員のお客さまにポイント還元の施策を中心として、さまざまな企画の投下を強めていきたいと考えている。

――具体的には?

図の左上がau経済圏の主力アプリだが、ミニアプリ化といって、auのアプリからシームレスに「au PAY マーケット」を利用できるミニアプリ化を進めてきている。

右上はKDDIグループの中の主力なサービスだ。mamari(ママリ)といわれるママ向けの情報アプリやBIGLOBE(ビッグローブ)、Relux(リラックス)という旅行サービスだとか、こういったところとの掲載を拡充したりしている。

左下はUQmobileで、店頭におけるUQmobileの契約だったりサービス変更に来店したお客さまに「au PAY マーケット」のサービス紹介や会員になるメリットをきっちり説明して、会員になっていただくという動きがある。それを下期から強く推し進めている。それによって新たなお客さまがベースアップしている。

右下のところも新しい取り組みでコンテンツだ。厳選された商品に関してこだわりのコンテンツ記事を作っており、そのコンテンツをこれから拡充していく。それによって、検索エンジン経由で良質なお客さまがより増えるという、そういう新しい動きを強化している。

あとは店舗さまへのサービス強化、販促のための武器の提供という観点も新しい提供がスタートしてきており、自動販促オプションということで、店舗さまの方でよりお客さまに対してセグメンテーションをかけながら、メールやクーポンを発行したりすることができる。お客さまの中で濃淡を付けながら、販促アプローチができる機能をリリースしている。

出店者向けにライブ配信機能の提供も開始

また、新たなお客さまとの接点拡大として、店舗さまが自ら出品している商品をスマートフォンまたはPCでリアルタイムにお客さまとコミュニケーションを取りながら、商品紹介から商品販売までできる「ライブ配信機能」の提供も開始した。出品された商品の魅力や特徴を、直接お客さまに伝えることができることで実店舗のようなリアルな接客が可能になる。

そのほか、Web側の表示機能、お店としての表現機能の強化もリリースしている。お客さまがauスマートパスプレミアム会員かそうじゃないかによって、店舗のセールやクーポンを出し入れしたり、あとは検索エンジン系で来訪したお客さまに、店舗の中をしっかり回遊いただくために、共通でお店としてのセール情報やお得な情報を出せるようにしたり、店舗さまの機能を表現的に拡充することが投入できている。このようなことを足元で投入しており、歳末商戦に向けて店舗さまとより大きな山を作っていきたいと考えている。

――来期に向けた抱負は?

データの利活用という軸は、この下期から来期に向けてもっとできればと思っている。「au PAY マーケット」の中でもそうだしグループの中でもそうだが、決済回りをはじめ、お客さまはいろんな動きをしていらっしゃるので、そういったところをできるだけ解像度を高くしていって、お客さまのロケーションみたいな軸もあれば、お客さまのタイミングみたいなところもあると思うが、そのお客さまのいろんな状況に応じてご提案できる精度みたいなものを引き上げていきたいと思っている。