アスクル、電気通信大学やタイムインターメディアと協働 AIによる在庫配置最適化の実証実験開始

アスクルは12月1日、国立大学法人電気通信大学、タイムインターメディアと協働で、AI分野における進化計算(遺伝的アルゴリズム)の手法を用いて、物流センターの在庫配置最適化アルゴリズム開発のための実証実験を開始した。アスクルと電気通信大学が在庫配置に関する最適化アルゴリズムを研究開発し、タイムインターメディアは同アルゴリズムの高速化の実現に取り組む。荷物の個口割れの低減、遠距離配送費の削減など、複数の物流センターからの出荷の課題解決を目指す。

アスクル、国立大学法人電気通信大学、タイムインターメディアが協働で開始した物流センターの在庫配置最適化アルゴリズム開発のための実証実験は、全国に物流センターを構えて在庫配置しているアスクルが、1つのオーダーにつき複数の物流センターからの出荷による荷物の個口別れの発生を解消するために産学連携して行うもの。

進化計算による各物流センターの在庫配置最適化に向け、最適化実験の実施、最適解に基づいた商品在庫の配置変更、荷物の小口数の低減、在庫量の抑制、配送費削減効果、配送効率などの効果検証を実施する。効果検証までの具体的なステップとして、進化計算により最適化した在庫配置を計算、得られた解に基づいた商品在庫配置変更を各物流センターに指示、各物流センターにおける在庫配置変更が完了、在庫配置変更による効果検証を実施の4ステップを挙げた。

【効果検証までのステップ】

昨今のEC需要の急拡大に伴いアスクルの物流センターにおいても出荷量が増加していることから、物流センターの高度自動化を加速、あわせて生産性向上を図るため、積極的に物流現場のDを促進している。アスクルでは従来、1つのオーダーに対しては無駄のない1箱で受け取れる出荷形態をとっているが、全国9カ所の物流センターをまたぎ在庫している商品の影響で、複数の物流センターからの出荷により複数個口での配送になる場合もあり、荷物を受け取る顧客の手間に加え、複数センターからの遠距離配送による配送費の増大も課題となっている。

こうした課題を解消するためアスクルでは、2019年より電気通信大学で人工知能(AI)分野における進化計算アルゴリズムを研究している佐藤寛之准教授とともに、物流センター在庫品の配置を最適化するアルゴリズム開発の共同研究に取り組んできた。物流センターの在庫容量や出荷能力、各商品の在庫量、膨大な出荷実績データなどを進化計算により最適化することで商品ごとの適切な在庫配置を算出でき、各物流センターの在庫量を抑制し最適な配置とすることが可能になるとしている。さらに、膨大な出荷実績データを対象とする在庫配置最適化の実現に不可欠な進化計算の高速化をタイムインターメディアが協力することで、今回の実証実験に至ったとしている。これにより荷物の個口割れの低減、遠距離配送費の削減、在庫量の抑制、配送効率の向上が実現するとしている。

実証実験期間終了後は引き続き効果検証を行い、2022年7月までに全国の物流センターにおける在庫配置を常に最適化し続けるシステムの開発を目指す考えを示した。