【外務省】甘利・前幹事長の辞任で茂木大臣が“玉突き”交代

外務省は突然の外相交代劇に見舞われたが、幹部らの表情は一様に明るい。

 11月10日に発足した第2次岸田文雄内閣で、茂木敏充前外相の後任として新たに林芳正外相が就任する見通しとなった。自民党の甘利明前幹事長の辞任に伴い、茂木氏が幹事長に就いたことに伴う玉突き人事だ。

 同省の現職局長は「林氏は3つの不安が『ない』最高の人事だ」と手放しで喜ぶ。「茂木氏以上に明晰な頭脳を持ち、なおかつ危ない橋は渡ら『ない』。岸田首相と同じ岸田派に所属し、官邸との意思疎通も問題『ない』。国会答弁への不安もほとんど『ない』」とまで語る。

 林氏は、東大法学部からハーバード大ケネディスクールを修了。知識の飲み込み力と情報の分析力は政界屈指と評される。歴代首相は不祥事で閣僚が辞任するたびに即戦力としてスライド登板させてきた経緯があり、林氏はライフワークに近い防衛相だけでなく、農林水産相や文部科学相なども歴任。永田町では「スーパーリリーフ」の異名もとるほどだ。

 自民の保守系議員には、林氏が日中友好議員連盟会長を務めることなども踏まえ「中国寄りの政策に傾くのではないか」と指摘する向きもある。しかし、別の同省幹部は「林氏は防衛族として、いかに最近の中国が急激に軍事力を強めているかよく理解している。日米同盟が重要性を増す情勢にも熟知しており、バランスのいい外交を展開できるはずだ」と不安論に傾かない。

 「国会対策などは他の省庁の中で一番楽できるのでないか。首相からいい贈り物をもらった」。省幹部はこう語り、安堵の表情を浮かべている。

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