【株価はどう動く?】米国株の下落を上回った日本株の下落、岸田政権は市場とどう対話するか?

米国株は本格的な調整局面入りするか?

 少し前から、今の米国株はいつ調整・下落局面に入ってもおかしくないということを指摘してきました。それは日柄、時間の波動から見て、昨年のコロナショックの安値から、ニューヨークダウはすでに18カ月上昇を続けていたからです。

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 今の世界・日本の株高はニューヨーク株が牽引してきましたから、それが下落すれば、日本の株価も連れ安となるわけですから、警戒をしていました。

 それが予想通り、8月16日の3万5631ドルを天井に、この高値を1カ月経っても抜くことができませんでしたので、ジワジワと調整局面入りした可能性が高まっていました。

 それがここに来て、原油価格の大幅な上昇、米国債金利の再びの上昇でインフレ懸念が台頭してきて、ナスダックのハイテク株から売られたのです。ニューヨークダウも頭打ちとなって、下落・調整局面に入っています。

 ニューヨークダウは500ドル下げて300ドル戻すといった形で値幅の変動が激しい「高値波乱」の展開となっています。

 価格の波動で見ると、昨年のコロナショックの安値から上昇して、4月16日の3万4256ドル、5月10日の3万5091ドルの辺りが一番天井となって、前述の8月16日の3万5631ドルが二番天井に見えます。

 今は、これが一時的な調整なのか、本格的な調整局面なのかを見極める段階です。昨年の安値、3月23日の1万8213ドルから、8月16日の高値までの上げ幅の3分の1押しが最初の目処になりますが、これが3万ドル割れの2万9500ドル近辺です。調整しているとはいえ、この水準までは下げていませんから、今のところ一時的な調整局面の動きに見えます。

 本格的な調整局面に入るなら、3万ドル近辺まで下げる、あるいは3万ドルを割れることになり、そうなれば、本格的な下落局面となるかもしれません。

 直近の安値は6月18日の3万3271ドルですが、これを当面下回らなければニューヨークダウは強いと言えます。この直近の安値を下回るかどうかは、最初のチェックポイントです。

 9月20日には3万3613ドルという安値を付けていますが、6月18日が一番底、9月20日が二番底としてダブルボトム形成ならば、今回の調整局面は一時的で、押しもそこまで深くないでしょう。その場合は日柄調整をして、再び新しい上昇波動が始まることが予想されます。

 今回のニューヨークダウの調整局面に連動して、日経平均株価も大幅に売られました。ニューヨークダウが3分の1押しもしていないのに、日本株はそれを上回る下げとなりました。

 日経平均は昨年のコロナショックの安値、3月19日の1万6358円からスタートして1年上げて、一番天井が今年2月16日の3万714円でした。その後押し目が入り、5月13日の2万7385円、8月20日の2万6954円でダブルボトムが入った形になっています。

 直近の下落では、まだ8月20日の安値を下回っていませんから、日経平均も一時的な調整局面である可能性が高いと見ています。しかし、ニューヨークダウに比べて派手に売られており、下げがきつい形です。

 この8月20日の安値近辺で底打ちすれば、あとは日柄調整ということになりますが、この水準を下回るかどうかで、一時的な調整かどうかが分かれます。

 日本株は米株安に連動して下げていることに加え、岸田文雄・新首相が就任早々、「金融所得課税」の引き上げを検討すると表明、株式市場は嫌気しました。海外を含めた投資家からは「岸田首相は増税路線なのではないか」という目で見られたのです。

 米国株が一時的調整で終わるならば、日本株も一時的調整で終わる可能性が強いのですが、岸田首相が増税につながりかねない政策を続けるようであれば、日本株は2月の一番天井、9月の二番天井の後、本格的な調整局面に入る可能性があります。その場合には半値押し近辺

の2万3000円、2万4000円まで下落するでしょう。

 ただ、安倍晋三政権以来の「アベノミクス相場」では、解散総選挙は「買い」でした。今回もそうなるかは注目点です。解散総選挙が買いならば、告示日の10月19日前後から株価が上昇してくる可能性があります。この場合、選挙でも自民党は善戦するでしょう。上昇しない場合には、10月31日の投開票で自民党が苦戦することを、株式市場が織り込む可能性があります。

 今回、岸田首相はコロナ感染者が2桁になったことを見て、戦略的に解散に打って出ましたから、野党は不意を突かれた形になっており、共闘や候補者選定などの体制が十分に整わない可能性もあります。

 短期的には、10月19日は日本株は買いか売りか、上げか下げかの分かれ目になります。長期的には、選挙後の岸田政権の政策次第です。実質的な増税路線ならば株価は頭打ちになります。

 そうではなく、例えば自民党の甘利明幹事長との連携で、日本がデフレ不況を脱出するために、デジタル革命を前面に押し出すような国策で前進する、コロナ対策もさらに強化するということになれば株価上昇です。

 岸田首相の言う「中間層の底上げ」は非常にいいことだと思いますから、それを増税ではなくデジタル革命、技術革新で実現することが求められます。金融所得課税の引き上げや、分配を増税で実現しようとするならば株価下落、経済のさらなる実体悪につながり政権が揺らぎかねません。

 重要なのはマーケットとの対話ではないでしょうか。これがなければ、日本の株価は3万円で頭打ちとなります。ただ、幹事長の甘利氏は経済政策に通じていますから、その進言には期待したいところです。

 もう一つ、自民党政調会長に就いた高市早苗氏はアベノミクス(脱デフレ政策)の継続を訴えており、この路線ならば将来、日経平均4万円もあり得ると期待しています。いずれにしても、今後の岸田政権の行方は、まず選挙に勝つ、そしてDX革命を前進することができるかどうかにかかっています。

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