【最強の「Shopifyパートナー」特集】Shopify Japan 徳満氏に聞く「パートナープログラムの魅力」

日本でも盛り上がりを見せるコマースプラットフォーム「Shopify」だが、その魅力はプラットフォームの機能やサービスだけでなく、それをベースに構築や運用を支援するパートナーの盛り上がりにあるという。国内のパートナー育成に注力し、その活性化を図るShopify Japan パートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏にパートナープログラムの内容やその魅力について詳しく聞いた。

パートナーは4種類、インセンティブを一部拡充

――Shopifyパートナーとは?

パートナーには、エージェンシーパートナー(開発パートナー)、アプリ開発パートナー、テーマ開発パートナー、アフィリエイトパートナーの4種類がある。

エージェンシーパートナーは、「Shopify」でECサイトの制作する事業者のこと。メインのパートナーだ。

「Shopify」はアプリをインストールすることで機能をカスタマイズできる仕組みをもっているが、アプリ開発パートナーはそのアプリを開発し、「Shopify app store」というマーケットプレイスで販売できる(無料提供も可能)。

テーマ開発パートナーは、サイトのデザインをカスタマイズするためのテーマを開発する事業者のこと。テーマもマーケットプレイスで販売できる。アフィリエイトパートナーは、「Shopify」をメディアなどでアフィリエイトとして紹介する事業者のこと。

Shopify Japan パートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏

――パートナーへのインセンティブの形態は?

エージェンシーパートナーには、マーチャント(EC事業者)が「Shopify」を使い続ける限り月額利用料の20%をインセンティブとして還元している。

アプリ開発パートナーとテーマ開発パートナーには販売したアプリやテーマの売り上げの80%を還元していたが、今年6月のイベント「Shopify Unite 2021」においてレベニューシェアの条件を変えるという発表があった。変更後は100万ドルの売り上げに達するまで、「Shopify」はレベニューシェアをもらわないようにした。100万ドルを超えてからは、売り上げの85%を還元する。売り上げが一度100万ドルを超えたらその後、ずっとインセンティブを取るのではなく、これは毎年リセットされる。

アフィリエイトパートナーには、紹介したマーチャントが契約を開始した場合、2カ月目までの月額利用料を全額還元している。

「Experts」「Plus Partners」2つの認定プログラム

――エージェンシーパートナーにおける認定プログラムの種類は?

申し込んだら誰でもShopifyパートナーと名乗ることができる。一方で実績を積み重ねているパートナーを認定する取り組みがある。「Shopify Experts」は原則、5件以上の制作実績があり、コミュニティに参加してくださるパートナーを認定している。

「Shopify Plus Partners」は、「Shopify Plus」での制作実績に加えて、当社が提供するドキュメントをチームで理解して頂き、その内容について確認する課題をクリアし、さらに当社に実際のプレゼンをしていただき、条件をクリアしたパートナーを認定している。「Shopify Plus」のインセンティブは、通常のパートナーが月額利用料の10%なのに対し、「Shopify Plus Partners」は20%提供している。

日本では中小企業の導入が多かったが、昨年末くらいから大手企業の引き合いが増えており、「Shopify Plus」のニーズが高まっている。「Shopify Plus Partners」は昨年まで5社あったが、今年に入り2社追加し、計7社になっている。

マーチャントの紹介、教育プログラムなどの魅力も

――インセンティブ以外のパートナーの魅力は?

当社からマーチャントをパートナーに紹介することもある。コミュニティにおいて認定パートナーの一覧を掲載しており、そういった情報から依頼が舞い込むこともあるだろう。

パートナーのスキル向上を支援する教育プログラムも提供している。昨年4月から「パートナーブートキャンププログラム」の提供を開始し、1年間で6週間に渡るプログラムを5回開催した。管理画面の使い方からアプリの作り方、セールスピッチのやり方の解説に加え、先輩パートナーから話を聞ける企画などを提供した。パートナーが延べ2000人近く参加している。

こうした取り組みにより、世界のさまざまな地域の中で日本は、アクティベートした(初めてサイトを作った)パートナーの比率がトップクラスになっている。

――パートナー同士の交流が参加な理由は?

情報発信するパートナーが多く、ツイッターなどのSNSで活発なコミュニケーションが行われている。SNSだけでなく、オフィスに遊びに行くなどリアルな交流が生まれている。

コロナ禍でオフラインのイベントができなくなっているが、地域限定のオンラインイベントを何度か実施している。もともとは東京や大阪、福岡など都市部でイベントを開催していたが、この1年で沖縄や長野、東海地方、四国、静岡などでオンラインイベントを開催した。こうしたイベントからオンラインを起点として地域のコミュニティが発生している。いつかは47都道府県にコミュニティがある状態を目指したい。

Shopify Japan パートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏

――複数のパートナーでマーチャントを支援するケースも多いのか?

複数のパートナーで1社のマーチャントをサポートするのは一般的になっている。「Shopify」にはパートナー専用の管理画面があり、マーチャントがAというパートナーだけでなく、Bというパートナーに部分的に支援してもらう際に、マーチャントの情報にアクセスできる権限を付与することができる。このBのパートナーをコラボレーターと呼び、複数のパートナーを付けることができる仕組みを用意している。

このコラボレーターの仕組みは、アプリ開発パートナーに大きなメリットがある。アプリに問題が発生した際に、コラボレーターとしてマーチャントの環境に入り、直接問題解決に当たることができる。

 

――日本でもパートナー数は拡大している?

実数は開示していないが、かなり増えている。1年間に1件以上のECサイトを「Shopify」で制作したアクティブパートナー数は、2020年に前年の4倍になった。2021年はさらに増えている。 「Shopify Experts」は間もなく100社に達するぐらいの規模になった。

――アプリの種類は?

「Shopify」の審査をパスし、「Shopify app store」から誰でも追加できるアプリを「パブリックアプリ」と呼んでいる。他にも公開はしないが「Shopify」のレビューを通っており、複数のマーチャントに導入できる「プライベートアプリ」や、完全に1つのマーチャント向けに提供する「カスタムアプリ」がある。

――国内ベンダーのパブリックアプリの数は?

2021年に入り急速に増えており、アプリ数は100を超えた。グローバルでは7000以上あるのでまだ少ないかもしれないが、着実に増えている。