CMS構築の進め方・手順を解説!構築時の注意点も紹介

CMS

CMSは簡単にWebサイトを構築できるシステムとして多くの企業で使用されています。新たにサイトを制作するにあたって導入を検討している、という企業の方も多いのではないでしょうか。今回はそんな導入を検討している企業の方に向けて、CMS構築の進め方、メリット・デメリット、さらに導入するにあたっての注意点についてご紹介します。

CMSとは?

CMSという略称は、「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の頭文字からきています。

通常Webページを作るためにはHTMLやCSS、サーバーへのFTPアップロードなどの知識が必要です。しかしCMSを使えば、Web制作に必要な専門知識がない人でも、Webサイトやコンテンツを構築・管理・更新することができます。

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CMSの主な5つのメリットとは?

CMSを導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。ここからはCMSの主なメリット5つをご紹介します。

メリットその1:誰でも簡単に運用できる

1つ目のメリットは、誰でも簡単に運用できる点です。一般的なWeb制作はページの文章や骨格をHTMLという言語で記述し、ページのデザインやレイアウトをCSSという言語で記述します。その後、これらのデータをサーバーにFTPアップロードして公開されます。しかしCMSの場合は、そういった知識がなくとも簡単な操作でWebページを制作することができます。

メリットその2:外注コストが削減できる

2つ目のメリットは、外注コストが削減できる点です。一般的なWeb制作で新しいページを作ろうと考えたとき、自社にWebに関する専門知識を持った人材がいなければ、Webページを制作してくれる会社に依頼しなければなりません。サイトの規模や仕組みにもよりますが、一般的には数十万円から、高ければ数百万かかることもあります。一方、CMSを導入すれば簡単にページが作れるため、外注によるコストを削減することができるでしょう。

メリットその3:頻繁にサイト更新ができる

3つ目のメリットは、頻繁にサイト更新ができる点です。コンテンツを常時更新する必要があるようなサイトの場合、CMSを導入していないとかなりの手間がかかります。しかしCMSであれば、ページの更新も簡単に行えるため、業務負担が大幅に減るでしょう。また、頻繁にサイト更新ができれば「リンク切れ」をなくすことができます。Webサイト内でリンク切れが多く発生してしまうとユーザビリティが損なわれ、検索エンジンからの評価が下がる原因になります。その点CMSを導入すればWebサイト全体を一元的に更新できるので、リンク切れをなくしてユーザビリティの向上にもつながるでしょう。

メリットその4:ミスが少なくなる

4つ目のメリットは、ミスが少なくなる点です。CMSでは、共通部分である「ヘッダー・フッター」や「ナビゲーション」などのデザインテンプレートが存在しており、これらはコンテンツと分離されています。 そのため、デザインだけを変更したい場合は、テンプレートだけを変えてコンテンツはそのまま生かすことが可能です。すべてを作り直す必要がないのでミスを少なくすることができるでしょう。

メリットその5:SEO対策がしやすくなる

5つ目のメリットは、SEO対策がしやすくなる点です。CMSを導入すればW3C標準という基準に準拠したHTMLコードが出力されます。検索エンジンはW3C標準に準拠したWebサイトに対して、高い評価を与える特徴があります。したがって、CMS導入により自動的にSEOの内部対策を行うことができるため、SEO効果の高いWebサイトを簡単に構築することができます。

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CMSの主な3つのデメリットとは?

ここまでCMSを導入するメリットをご紹介しましたが、CMSを導入するデメリットはどんなことが考えられるでしょうか。ここからはCMS導入のデメリットについて解説していきます。検討する場合はデメリットもしっかり考慮したうえで検討してみてください。

デメリットその1:デザインが限られる

1つ目のデメリットは、デザインが限られる点です。CMSにはデザインテンプレートというものがあるため、特設ページのようなデザイン性が大きく違うページを作ることができない場合があります。テンプレートで定義された範囲内のデザインとなるため、デザインの自由度が大きく制限されてしまいます。そのためWebサイトの優先順位によって、CMS導入の検討が必要でしょう。

デメリットその2:データ移行が難しい

2つ目のデメリットは、データ移行が難しい点です。一般的な方法で作られたWebサイトにCMSを導入するためには、いくつかの工数を経る必要があります。コンテンツのタイトルやURL、カテゴリーなどのデータをCMSのテンプレートに割り振るという移行作業を、全ページで行わなければなりません。データを間違えて消す可能性もあるため、移行前にバックアップを取ることをおすすめします。

デメリットその3:セキュリティの脆弱性

3つ目のデメリットは、セキュリティに脆弱性がある点です。CMSは、ブラウザとインターネット環境さえあれば場所や時間を選ばずにWebサイトを更新することができる一方で、サイバー攻撃や不正アクセスなどのセキュリティリスクにさらされています。特にオープンソース型のCMSに関しては、セキュリティの脆弱性を狙った攻撃が増加しているため、注意が必要です。

CMS構築の進め方~6つの手順~

簡単にWebサイトを構築することができるCMSですが、どのように設置すればよいのでしょうか。CMS導入のためにはまず目的をはっきりさせることが大事です。

その後、費用を計算してデザインなどを設計します。そしてCMSを組み込んで実際に運用していきます。ここからはCMSを構築するためのフローについてさらに詳しくご紹介します。

CMS構築の手順その1:CMSを使って何をしたいのかをまとめる

まずCMSを構築する際に重要なのは、要件定義をすることです。要件定義というのは、開発側とクライアントが話し合いを行い、Webサイトの方向性や費用の見積もりなどを決定することです。ここで開発側がシステムを定義して、予算と照らし合わせながら必要な機能を明確化していきます。いかに開発費用を抑えて、必要な機能を実装するかが大切なポイントになるでしょう。

要件定義その1:CMS構築の目的を明確にする

始めにCMSを構築する目的を明確化するのが重要です。基本的にCMSはWebサイトを作るために必要なコンテンツを1か所に集めて、統合管理します。誰もが運用、参加できる仕組みを構築することがCMSの目的です。

その中で、ビジネスの目標達成のためにどんな機能をCMSに実装しなければならないのかを明らかにする必要があります。

要件定義その2:WEBサイトの方向性を明確にする

次に、Webサイトの方向性を明確にする必要があります。なぜなら、どのようなコンテンツを提供していくのかを決定できなければ、最適なツールを選定することが難しいからです。

Webサイトを使って何を目指すのか、お客様にどのようなことを訴求するのかを明確化しておけば、CMSを構築した後もスムーズに運用することができるでしょう。

要件定義その3:費用見積もりを明確にする

費用見積もりを明確にしておくことも、CMSを構築する際には大切なポイントです。基本的に、実装する機能が多いほど費用がかかる傾向にあり、CMSを構築するためには数万~数百万円の費用がかかると言われています。

費用に関しては初期費用がメインです。安く済ませたいからといって無理にコストを抑え、完成したが使い物にならないといった事態は避けたいものです。こういったことを引き起こさないためにも、費用の試算はしっかりと行いましょう。

CMS構築の手順その2:サイト等を設計する

要件定義が決まったら、サイトを設計していきます。ここで管理画面やサイト構成、ディレクトリの設計を行います。管理画面は使いやすいものに設計し、コンテンツやサイドバーなどをサイトにどのように配置していくかを考えていきます。また、コンテンツをどう整理するかの設計も必要です。ここからはこれらの設計について詳しく解説していきます。

サイト設計その1:使いやすい管理画面にする

運用する管理画面の使いやすさは大切なポイントです。CMSはプログラミング言語などの難しい専門知識がない人でも簡単にWebページを作れることが強みなので、運用者が利用しやすい管理画面を用意する必要があります。

具体的にはプレビューボタンが目に付く仕様にしたり、更新項目のメニューの配置が分かりやすいものになっていたりすると、使いやすい管理画面と言えるでしょう。

サイト設計その2:サイト構成を設計する

サイト構成の設計には、コンテンツ・サイドバー・メニューなどの共通部分や、カテゴリーページ・詳細ページ・プライバシーポリシーなどを設計することが含まれます。

CMSでサイトを構築することによって、自動でナビゲーションを作り出すことができます。それによりナビゲーションを管理するコストが減り、コンテンツ制作に集中できるというメリットがあります。

サイト設計その3:ディレクトリを設計する

ディレクトリとは、コンテンツやファイルを整理・分類するための保管場所のことです。ディレクトリ設計ではテーマごとにコンテンツをまとめたり、コンテンツの保管場所を反映したURLを設定したりします。

また、コンテンツの階層構造を整理することもディレクトリ設計に含まれます。このコンテンツの階層構造の整理はSEO対策にもつながるため、重要なポイントになるでしょう。

CMS構築の手順その3:デザインを決める

Webサイトの構成内容などが決まったら、デザインを決めていきます。具体的にはページデザインやテンプレートを設計します。CMSのシステムはフロントサイドとサーバーサイドに分かれていますが、この段階では主にフロントサイドの見栄えを決定することが目的です。サイトデザインの向上はユーザビリティの向上につながるので、こだわったデザインを目指しましょう。

デザインその1:ページデザインを設計する

ページデザインを設計するときは、Webサイトのイメージやコンセプトをより伝わりやすくすることが大切です。

具体的には、行間・フォントサイズ・アイコン・配色などをWebサイトの雰囲気やコンセプトに合うデザインになるように設計していきます。この段階でサイトの見栄えが決まるため、サイトを利用する人のユーザビリティがより向上するデザインを考える必要があります。

デザインその2:テンプレートを設計する

CMSによるWebサイトのデザインを設計するうえで、テンプレートの設計も重要です。コンテンツを作る際に、誰でも一定のルールに従って容易にページを制作できるように、テンプレート化することがCMS構築におけるテンプレートの位置付けと言えます。

運用者が管理しやすいテンプレートを構築することが、何よりも大事なポイントでしょう。

CMS構築の手順その4:CMSを組み込む

サイトのデザインが決まったら、実際にCMSを組み込んで開発が始まります。CMSをゼロから組み込む場合は大がかりな設計になりますが、既存のパッケージを使用すれば少ない工数で開発することができます。 一度開発したCMSを組み込んで作り直すのは困難が伴うため、要件定義に沿ったCMSを構築する必要があります。ここでは管理画面と、公開画面の開発について解説していきます。

CMS組み込みその1:管理画面を開発する

管理画面を開発する際は、操作性が重要です。機能をあまり多く設定せず、利用頻度が高い機能を見やすく使いやすい配置に持ってきたシンプルな管理画面にする必要があります。

例えばページの階層構造を一目で分かるようにしたり、ページ作成用のパーツを選択するだけで簡単にページを構築できるようにすると、操作性の高い管理画面になるでしょう。

CMS組み込みその2:公開画面を開発する

管理画面の開発が終わったら公開画面を開発します。公開画面はインターネット上で実際にユーザーが閲覧する画面です。

ここで重要なのは、管理画面で制作したページが公開画面にもしっかり反映されているかを確かめることです。テンプレートなどにバグがあると意図したとおりに反映されないケースもあるため、注意深く検証を行う必要があります。

CMS構築の手順その5:運用テストする

開発が終了したら運用テストを行います。内容や規模によってかかる時間は変わってきますが、最低でも1か月くらいのテスト期間を取っておくことが大切です。 テストの種類としてはデータの投入チェックや公開画面のチェック、ページの階層構造のチェック、公開スケジュールチェックなど多岐にわたります。この運用テストまでを考えて開発期間を設定するのが重要です。

CMS構築の手順その6:実際に運用する

運用テストが終わったら実際に公開し、運用を開始します。運用後は、「必要な機能の拡張」「マニュアル整備」「効果測定」を行います。 中でも、効果測定は重要視しなければなりません。Webサイトは運用して適正な効果を発揮してこそ意味があるからです。自社が何をCMSに求め、どのくらいの効果が実現できたのかを記録しましょう。その後は運用しながら、適宜調整を行っていきます。

CMS構築時に注意したいこと3点

CMSを構築する際にはいくつか注意すべき点があります。事前に注意すべき点が分かっていれば、CMSの開発費用がかさんだり、開発期間が長くなったりすることを避けることができます。

ここからはCMS構築時の3つの注意点について解説していきます。

注意点その1:サーバーの選択を間違えない

CMSを構築するときは、設置するサーバーのスペックを確認することが重要です。サーバーのスペックが低いと、アクセスが集中したときに処理が重くなってしまい、ユーザビリティに悪い影響を与えてしまう可能性があります。 アクセスが集中したとしても、あまり負荷がかからないサーバーを選ぶことが大切です。また、将来的にアップデートするときの運用性の高さを確認しておくと、スムーズに運用することができます。

注意点その2:無料CMSでは拡張できない恐れがある

有料のCMSの場合はサポートが付いているものがほとんどですが、無料のCMSの場合はメンテナンスを自分で行わなければなりません。サポートがあれば欲しい拡張機能を追加で発注することができますが、サポートがない無料CMSの場合は欲しい拡張機能がなければ、追加することは基本的にできません。その場合は自力で拡張機能を構築しなければならなくなります。事前に追加したい拡張機能を把握しておくとよいでしょう。

注意点その3:運用体制をしっかり整えておく

運用体制をしっかり整えておくこともCMSを導入するうえで重要です。CMSなしでも成立する運用体制を自社で構築しておきましょう。 運用体制には公開前のダブルチェック体制があります。この体制に不備があると数値を間違えて公開してしまう可能性があります。また、運用担当者が対応できない場合に陥ったときに代わりの更新者が対応できる体制を整えておくことが大切です。

CMS構築の進め方を理解しよう

CMSは専門知識なしでWebサイトが作れるため、導入するメリットが大きいでしょう。CMS導入の進め方はまず要件定義を行い、サイトの目的や開発費用を明確にします。その後、サイトの見栄えや管理画面などのサイトデザインを設計します。

サイトデザインが決まったら開発を行い、適宜調整をしながら実際に運用していきます。CMSのメリットや構築の進め方を把握し、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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