回転寿司チェーン「スシロー」を展開するあきんどスシローは、三越伊勢丹ホールディングスが3月20日に横浜駅前のジョイナス内にオープンする「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」(旧クイーンズスクエア横浜)に新形態の店舗「スシローコノミ」を出店する。郊外店ほか、昨年から展開を強化中の都心店舗に続く第三の業態となるが、どのような将来像を描いているのか。

初のフードコート向け店舗

「スシローコノミ」は「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」内、約130席のイートインスペースが用意される「CAFE&DELI PLAZA」に出店される、スシローの新業態だ。あきんどスシローでは「お寿司の原点を現代にリニューアル」という触れ込みで、江戸時代に「街角の屋台」で販売されていた寿司をイメージしているという。

  • 「スシローコノミ」はCAFE&DELI PLAZAの角に出店。テイクアウト用のコーナーも用意されている

提供されるネタは43種類。価格は1カンあたり60円、100円、200円のものがある。中にはウニなど、従来店舗ではレギュラーメニューに入っていないものも含まれている。今後は「羽田市場」などの期間限定メニューの導入も検討しているとのこと。さらにサイドメニューとして味噌汁3種とうどん3種、ラーメン2種、ソフトドリンクやアルコールも提供されるが、「スシローCafe部」で注力中のスイーツ類は用意されない。

  • アラカルトで選べるネタは3価格帯・43種類。最低でも6カンからの注文になるため、最小注文単価は360円。3皿ぶんと考えると従来店舗より少し高めの設定だ

  • 「おまかせ」の盛り合わせメニューは持ち帰りメニューとも共通。人気の高いネタが中心となっており、お買い得感もある

注文は専用の用紙に書き込む形で行い、レジで内容と値段を確認。支払いが完了すると同時に寿司を作りはじめる。顧客にはワイヤレスレシーバーが渡されるが、注文後、席に戻るまでの間に提供できるのが理想というほど、提供スピードには自信があるようだ。少なくとも、席で空腹をなだめながらイライラして待つ必要はないようだ。

  • レジ横に注文票とメニュー表、ペンがあるので、メニューを見ながら注文を書き込む

スシローとしては初めて回転レーンのない店舗となるが、顧客が好みのネタを選べるスタイル自体は踏襲。一方で注文できる個数のパターンを固定化したり、トッピングを極力廃止する、手間のかかる巻物を出さない、定型の盛り合わせメニューを用意するなど、オペレーションの省力化に関する工夫も凝らされている。

具体的な数は明らかにされなかったが、オペレーションにかかる人員そのものも店舗規模に合わせて少なく設定するようで、少人数でも効率的に寿司を作れるよう、新型の寿司ロボットの導入や、ネタ用冷蔵庫の扉を引き出し式にするといった細かな工夫が随所に見られた。

  • 新型の寿司ロボットにより、シャリ玉がものすごい勢いで皿に盛られていく