充実した社員食堂の背後に努力あり

こう記すと"楽天のスタッフって羨ましいね"で終わってしまうが、楽天カフェテリアに関して言えば、そこには不断の努力があることをお伝えしたい。だからこそ羨ましく映るのだ。

楽天には委員会というものがある。委員会とは、福利厚生は社員がコスト・運営管理をしていくべき、という考えをもとにした集まりである。

楽天カフェテリアの無料制度も、社内コミュニケーションの活性化と社員の健康管理を目的にした福利厚生の一環に該当し、カフェテリア委員会が運営管理を行っている。そのメンバーは有志の社員5名からなり、前述の戸梶さんもカフェテリア委員の1人だ。

その活動は精力的だ。毎週のメニュー表、カフェテリアニュースと呼ばれるものを社内メディアに掲載・更新していく。掲示物や予実管理なども行う。このあたりまでなら、業務の一環として他社でも行っていそうだが、楽天の場合はさらに踏み込む。それがミーティングだ。

ミーティングは、給食業者、フードアドバイザー、楽天の3者ミーティングを月1回、フードアドバイザーと楽天の2者ミーティングを月1回、カフェテリア委員会でのミーティングは隔週ごとに行う。このミーティングでは、様々なことが話し合われているようだ。

それこそ、給食業者を交えたものでは、「スープが少し濃すぎるのでは……」などと味について指摘したり、フードアドバイザーとのミーティングでは、食堂の導線(時間帯別の社員の流れ)について議論を交わしたりしている。

ちなみに、カフェテリア委員会には、相当に食材や栄養などについて詳しい人がいるようで、「××という生産者が作っている食材を使って新メニューができないか」、といった提案も行われているようだ。社食となれば、他社の担当者と意見交換もする。社食となれば、社員の意見にも耳を傾け、動く。とにかく精力的なのだ。