ローソンがサラダの販売を強化すると先日発表したが、ファミリーマートが出した答えは"惣菜"だった。なぜ、ファミマは惣菜の販売に力を入れるのか。

惣菜に力を入れるファミマ

ファミマは、「ファミ横商店街」と命名して刷新したファーストフード惣菜コーナーをレジ横に置き、惣菜販売を強化する。ファミチキ、焼きとりといった戦略的位置づけの"Sランク"商品のほか、フランクフルト、春巻、ハムカツ、じゃがバタコロッケなど約30アイテムを揃え、6月27日から販売を開始する。近く天ぷらも売り出す予定だ。

レジ横に置かれる「ファミ横商店街」

ファミマが惣菜を強化するのは、理由がある。それは中食市場のうち、最も伸び代があり、かつ、呼び込みたい客層を引き込めると見るからだ。

中食市場を分析すると、米飯類や調理パンなどに比べて、一般惣菜には伸び代がまだまだあると見る。一方で、少子高齢化・単身世帯の増加、女性の社会進出などを背景に、手軽に惣菜を購入したいというニーズは増えている。こうしたなかでファミマが呼び込みたいのは、女性、揚げ物料理を面倒に感じる主婦だ。

中食市場で伸び代があるのは一般惣菜だという

コンビニ各社はかねてより、女性客の取り込みを課題として抱えてきた。先日もローソンもサラダに注力するとしたが、その理由はファミマと同様だ。世帯人数の減少などを背景に、サラダはスーパーで材料を揃えて家で作るというものから、コンビニで手軽に買うものへを意図している。さらに、買い合わせも多く、日販を大きく押し上げる効果があり、発表会には社長まで登場して説明を行ったわけだ。ファミマが注力する惣菜についても、買い合わせが多い商品としており、日販への好影響も期待できる。

ファミマ、ローソン。それぞれの注力カテゴリーは違えども、狙いどころとその背景はまったく同じ。社会情勢の変化、女性、この2つをキーワードにしたコンビニの戦略はこれからも続きそうだが、どのようなものとなるだろうか。