ゲーム制作でリアルさへの追求が増やすものは何か。売上やユーザー数であってほしいところだが、確実に言えるのは仕事である。細部にこだわれば手間が増えるからだ。それでもリアルさを追求したのが、コロプラが今春リリース予定のスマホアプリ「プロ野球バーサス」だ。

コロプラが今春新たにスマホアプリ「プロ野球バーサス」をリリースする

実名の選手と細部にこだわった球場

「プロ野球バーサス」は、その名のとおりプロ野球を題材にしたゲームアプリ。プレイヤーは好きな球団を選択して、全国のプレイヤーとオンラインで対戦できる。一人でも楽しめるシングルモードも用意されるとのこと。試合ではバッティングやピッチング操作を行うパートがあり、プレイヤーの腕が勝敗の決め手となるアクション要素も備えている。このほか、選手の育成といったやり込み要素も備えているのがこのアプリだ。

ピッチングとバッティングのアクション要素もあり。タップ、ピンチ、スライドといった単調になりがちなスマホ操作において、簡単すぎず難しすぎない操作の実現に苦労したとのこと。なおゲーム画面は開発中のもので表示の一部ユニフォームは2016年シーズンのものであり配信時には2017年シーズンに対応予定(画像はプレスリリースより (C)2017 COLOPL, Inc.)

注目したいのは、登場する12球団、選手がすべて実名であり、球場にいたっては細部まで忠実に再現されていることだ。選手の肖像等に関しては一般社団法人 日本野球機構から、球場についてはプロ野球フランチャイズ球場からの承認を受け、選手データはデータスタジアムから提供を受けてそれぞれを利用している。

選手データは2017年の今シーズンのもので、各球団に所属しているルーキーを含む。選手の顔は、完全再現とまではいかないが、選手着用のユニフォームなどは忠実になっているようだ。たとえば、読売ジャイアンツのキャップ。昨年まではオレンジだった箇所が今年はブラックに変更されているといった細かい部分までチェックしているという。

さらに、球場内の場内広告はそのまま掲出。東京ドームを例に挙げると、実際に場内に存在する「BANDAI NAMCO」の看板まで再現。バンダイナムコは競合他社だが、そのまま出してしまう割り切りのよさもある。しかし、これはプレイヤーには無関係のことであり、あくまでも優先したのはリアルさなのだ。

東京ドームの例。場内看板までも忠実に再現

ここまでリアルを追い求めると、増えるのは仕事。少なくとも、承認を受けるまでのやりとりでプロセスは増えていくし、それについて同社は「かなり大変」であると認める。こだわりに応じて人件費やその他のコストも増えるだろう。