アマゾンの着実な進化

筆者は米国カリフォルニア州バークレー市で暮らしているが、アマゾンに関する変化を経験している。まず、街のカフェなどには、アマゾンのロゴが描かれたロッカーが置いてある。昼間留守にしていることが多い学生が、カフェのロッカーでオーダーした商品を受け取れるようにするための工夫だ。

ついには、カリフォルニア大学バークレー校のキャンパスの中にも、アマゾンが出店し、同様のロッカーとKindleシリーズの展示販売が行われるようになった。あるいは、こうしたキャンパス内にAmazon Goができれば、学生の興味を引き、優秀な人材集めにも一役買うかもしれない。また、バークレーにはアマゾンの配送センターが既に設定されており、配送についても、これまで非常に評判が悪かったOnTracから、「Amazon」のトラックとスタッフによる配送へと切り替わった。

Amazon Goは、本社があるシアトルに2017年に開店する予定だが、サンフランシスコのショッピングセンターにはKindleのポップアップストアの1号点ができ、周辺のCostcoなどの商品を配送してくれるAmazon Freshも利用することができる。

さらに、Amazon Booksという実店舗は、オンラインで人気の書籍を面出しで展示し、オンラインと同じ価格で販売する非常にトレンドに敏感な書店を打ち出した。これまでの書店を閉店に追い込んできたアマゾンが本屋を出すことには、批判的な見方もあるが。

Amazon Goは、これまでテクノロジー業界が、決済のスマート化に注力してきたトレンドを、きちんと「ショッピング体験のスマート化」へと推し進めた点を評価すべきだと考えている。また、こうしたチェックアウトレスの技術は、書店や衣料品などの店舗にも利用でき、既存の顧客データとの組み合わせは、さらに新しい購買体験へと開花するだろう。